『水の娘』 ■■■□

v-erice2006-04-26


監督:ジャン・ルノワール

ジプシー娘が上流階級の青年と結ばれるというシンデレラ・ロマンス。冒頭から息を呑むような美しい自然描写が出てくる。水と木と風と柔らかな光。川辺の情景を描かせたらルノワールは本当に凄い。ヒロインのカトリーヌ・ヘスリングが伯父に犯されそうになるシーンではエイゼンシュテインばりの激しいモンタージュ(その迫力は無声映画なのに音を感じさせる)を見せたかと思えば、メリエス的なトリック撮影を駆使した幻想シーンが唐突に挿入されたりととにかく多彩で飽きることがない。