2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 『プレイタイム』 ■■■■□

監督:ジャック・タチ翻弄されるユロ氏と偽ユロ氏に翻弄される自分(笑)。後半のレストラン・シークエンスは何度観ても凄まじいです。シネスコ画面いっぱいに繰り広げられる同時多発小ネタギャグ。毎回新しい発見があります。サーカス的な世界と幸福感が街に…

 『淑女と髯』 ■■

監督:小津安二郎ん〜イマイチでした。ユーモアもペーソスも何となく中途半端な感じ。最後が良いですね。爽やか。

 『拳銃魔』 ■■■□

監督:ジョセフ・H・ルイス男と女の愚かで哀しい逃走劇。ジョン・ドールとペギー・カミンズが素晴らしい。簡潔な語り口。映画が一瞬たりとも弛緩しない。最後の異様な展開も秀逸。やはり40〜50年代のB級映画は面白い!

 『攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG 07』

いや〜連続レンタルとは前回のぼやきが功を奏したんでしょうかねぇ(笑)。というわけで今回は2本とも九課のシブい仕事人パズとサイトーにスポットを当てたお話。まずは九課イチ目立たない男パズ。実はすごい漁色家だったことが判明。昔の女にハメられるコワ〜…

今日はパルテノン多摩にカール・テオドール・ドライヤーの『奇跡』を観に行ってきました。ところで、この日は映画の前にちょっとした感動的なイベントがありまして。当サイトの開設初期から遊びにきてくださっている貴重な貴重なお客様KOEIさんとの初顔…

 『リトル・プリンセス』 ■■

監督:アルフォンソ・キュアロン原作よりも性格が図太いセーラ。後半の大胆な脚色には唖然。突然スリル・アクション!?(笑)。せわしない展開やケバい美術、最後のオチも如何にもハリウッド。リーセル・マシューズは良かった。

 『落第はしたけれど』 ■■■

監督:小津安二郎喜劇と悲劇は紙一重。手や足だけのアップで感情を表現するショットが多用されている。障子を使った影絵。襖の奥に消えたと思いきや、一瞬、間を置いて襖の一番下から顔だけ出す田中絹代。

 『サン・ロレンツォの夜』 ■■■

監督:タヴィアーニ兄弟牧歌的な風景の中、縁者や友人同士が殺し合う。それでも人間は愛を生きる。日照り雨の悲喜。***********盤質。非アナモ収録、画質は良好。ただPALマスターの影響なのか音が変です。ニコラ・ピオヴァーニの音楽もオメロ・アントヌッテ…

BS2で月曜から三夜続けて放送された「THE少女マンガ」を観ていてめちゃくちゃ「ガラスの仮面」を読み直したくなりました。10年くらい前に一度読んだきりなんですよね。それにしても、まだ完結していなかったとは(^^; 「生徒諸君!」と「エロイカより愛をこめ…

 『新のんき大将』 ■■■

監督:ジャック・タチ最後の20分が最高ですね。まるで生き物みたいに勝手に道を進んでいく自転車がラブリー。

部屋の片隅に積まれた録画済みビデオテープの山を見て思いました「これはヤバい」と。老後の楽しみ〜♪とか呑気なことを言ってる場合じゃありません。かと言って今更捨てられるわけもなし・・・。で、ふとこんな考えが。視聴記を書くのにかかる時間(約1持間)と…

女優の桜むつ子さんが23日に肺ガンで死去。小津映画ではいつも決ってバーやおでん屋の女主人をやっていて妙に印象に残る女優さんでした。笑顔が何とも良いんですよね。享年83歳。合掌。

 『ゴールキーパーの不安』 ■■■□

監督:ヴィム・ヴェンダース久々の再見。序盤からシネフィル・ヴェンダースが炸裂(笑)。映画館ではホークスの『レッドライン7000』が、ロングショットの風景にはアントニオ−ニが、夜の街の映像にはラングやニコラス・レイが、主人公が映画館の受付嬢(グロリ…

 『花とアリス』 ■□

監督:岩井俊二いや〜参りました。観てはいけない作品でしたね。岩井俊二はかなり好きな作家でしたが、悲しいかなそれを撤回することになりそうです。その理由は「映画古今東西」の方へアップしましたので、興味のある方は覗いてみてください。映画とビデオ…

 『攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG 06』

前の巻から3ヶ月近いブランク・・・。供給が需要にまったく追いついていない状況ですな(泣)。というわけで1本目は素子の過去の秘密が明かされる興味深いエピソード。肉体と義体、少年と少女、そこに介在する折り鶴。攻殻らしくないノスタルジックな美術と題材が…

 『捜索者』 ■■■■■

監督:ジョン・フォード本作のオープニングは今までに観た西部劇、いや全ての映画の中でも最高かもしれません。人物配置と風で揺れる服の感じが信じられないくらい美しいんですよね。他にもジョン・ウェインの出立を見送る場面の構図と青い空と雲、ジョン・…

 『ぼくの伯父さん』 ■■■■

監督:ジャック・タチ山の手と下町、父と息子、新しきものと古きもの。対立と融和、その脆く微妙な関係性。本作にはタチの平等の精神が強く反映されています。ユロ氏は物語をリードする主人公などではなく、かと言ってブルジョワ達のような極端に喜劇的な存…

先日Amazonで購入した中野翠の時評コラム集『ここに幸あり』を読んでいて思ったのは、つくづく2004年という年は酷い年だったんだなぁということです。無邪気に喜べたニュースと言ったらアテネ・オリンピックのメダルラッシュや、イチローの年間最多安打くら…

 『ぼくの伯父さんの休暇』 ■■■■■

監督:ジャック・タチ『大酔侠』の影響で再見。いや〜やっぱり何度観ても良いですね。ユロ氏が巻き起こす徹底的に無自覚なトラブルメーカーっぷり。セリフを極力排した「動き」によるギャグは否が応にもチャップリンのサイレント映画を想起させますが、自ら…

米女優ルース・ウォリック(88歳)が15日、ヴァージニア・メイヨ(84歳)が17日に死去。ルース・ウォリックはウェルズの『市民ケーン』でケーンの妻を演じていた女優さんだそうです。合掌。

 『大酔侠』 ■■■□

監督:キン・フーキン・フーは面白いですね。ゆったりとした所作と弾むようなリズムのカット割りという一見ミスマッチな組み合わせが、優雅で美しく(投げ銭を箸ですくい取るチェン・ペイペイの手の動き!)、それでいて躍動感のある何ともユニークなアクシ…

 『Helpless』 ■■■

監督:青山真治処女作ならではの荒さが良くも悪くも魅力的ですね。ただ物語性を希薄にすることで、演出の鋭さを際立たせるあたりは非常にしたたかな野心を感じさせます。何の変哲もない鄙びた喫茶店が非日常的なサスペンス空間になってしまうから映画は面白…

今夜はカルピスさんとビールを呑みながらカウビィ4話とケロロ軍曹(DVD)4話と『ガンダム0083劇場版』(LD)を観る。ケロロ軍曹はガンダム好き必見のアニメという噂を聞いて、最近になって本放送を観るようになったのですが、評判どおりの面白さだったので、…

 『壬生義士伝』 ■□

監督:滝田洋二郎バカ丁寧な語り口と描写。一般的にはそれが安心して観れるし分かり易いということになるのかもしれませんが、私には明らかに余計で冗長なだけのありがた迷惑なものでしかありませんでした。私は山中貞雄やビクトル・エリセの映画を観て、"省…

 『バルタザールどこへ行く』 ■■■■

監督:ロベール・ブレッソン ロバによる聖なる「受難」を介して人間存在の闇の深さを浮き彫りにする宗教寓話。一切の感情表現や誇張表現を排除したストイックな演出スタイルが、限りなく厳しく美しい物語へと昇華させています。随所で閃光のようにモンタージ…

 新たに増えた銀盤

『バルタザールどこへ行く』

 『復讐は俺に任せろ』 ■■■■□

監督:フリッツ・ラングこれはグロリア・グレアムの映画ですね。圧倒的な存在感。観終わった後も彼女のイメージが脳裏に焼き付いて離れません。アンニュイな表情と声、顔半分を白い布で覆った異様な姿にも倒錯的な色気が漂います。最後、額にうっすら汗を滲…

 『ハタリ!』 ■■■■■

監督:ハワード・ホークススゴイ!とんでもない面白さ!!まさにホークス作品の魅力のすべてが詰まった奇跡の娯楽活劇。ハンティング・シーンの大スペクタクル、ユーモアと温かみ溢れる人間模様、動物たちが巻き起こす珍騒動の数々。全編ハラハラワクワクの…

ハワード・ホークスの『特急二十世紀』が北米でDVD化されますね。発売日は2/22。Columbia Tristarなので日本語字幕付き。さっそくamazonで予約しちゃいました。約14ドル。ワクワク。

 『地獄の逃避行』 ■■□

監督:テレンス・マリック実話を元にしているそうですが、本作が撮られた1973年はベトナム戦争の末期。理由なき殺人を繰り返しながら逃げ場のない逃避行を続ける青年と少女の物語には、明らかに泥沼化した戦争に対する諷刺を感じさせますし、病めるアメリカ…