2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小林信彦『日本人は笑わない』読了 ◎ 気になる新刊本 「愛すればこそ スクリーンの向こうから」毎日新聞社 発売中 2,310円(税込)買い。

 『暁の追跡』 ■■■

監督:市川崑ネオ・レアレスモ風の犯罪メロドラマ。新藤兼人らしいリアル志向の暗い脚本で、ロケシーンが多く、電車が頻繁に映し出される。終盤が良い。川辺の倉庫場でのマフィアと警察部隊の攻防戦は、40年代後半のアメリカの低予算犯罪ノワールを思わせる…

 『こころ』 ■■■■

監督:市川崑市川崑の映画的センスはコメディではなくメロドラマの時にその真価が発揮される、と言ったらファンに怒られるだろうか。それにしても見事な映画だ。ラストシーンが蛇足なのと、尺が短すぎる(180分くらいあった方がいい)点をのぞけば本当に最高…

 新たに増えた銀盤

『天元突破グレンラガン 8』

 『第80回アカデミー賞』

早送りしながら適当に見る。過去の作品賞受賞作を紹介する映像と、名誉賞の装置家ロバート・F・ボイル(御歳97)のスピーチが良かった。監督賞&作品賞はコーエン兄弟『ノーカントリー』。そう言えばコーエン兄弟の作品って『バーバー』以降見てないんだよ…

 『ブンガワンソロ』 ■■□

監督:市川崑終戦直前の南方戦線が舞台だが、戦争映画というよりはハリウッドの南国ロマンスもの(ドロシー・ラムーアがヒロインを演じる一連の作品と言えばピンとくるはず?)を想起させる作品。ただドラマ的には些か中途半端な感が否めない。というのも主…

淀川長治、池波正太郎『映画行脚』読了 ○対談本。実は映画以外の話がすこぶる面白かったりして。 気になる新刊本 「小津ごのみ」筑摩書房 発売中 1,470円(税込)中野翠による小津論。これは楽しめそうだ。

 『青春怪談』 ■■■

監督:市川崑和製スクリューボール・コメディの佳作。クマのような体躯(失礼)に少女のような心を持った未亡人を演じる轟夕起子のコメディエンヌっぷりが素晴らしい。男女がひっくり返ったような北原三枝と三橋達也(村上弘明に見えて仕方なかった)のカッ…

 『あの手この手』 ■■■

監督:市川崑和製ソフィスティケーテッド・コメディの佳作。和田夏十の脚本が良い。セリフに味があるし、構成も適度にこなれている。伊藤雄之助と望月優子の夫婦がケッサク。久我美子は、川本三郎の『君美わしく』に書かれている通り*1、森雅之をとことん翻…

 NBA『サンズVSセルティックス』を見る

ホームのサンズが快勝。というかセルティックスが酷すぎた(ピアース&アレン絶不調)。さて注目のシャック、攻撃はイマイチ精彩を欠いたがゴール下での存在感はさすがの一言。ただ、やはりサンズの基本スタイルはラン&ガンなので出場時間は限られそう。そ…

 気になる新譜銀盤

「霊魂の不滅(2枚組み)」Tartan Video 2/11 £24,99うはっ、これ欲しいわ。2枚目にはイングマール・ベルイマンが演出した舞台のTV版『The Image Makers』が収録されている(『霊魂の不滅』撮影中のスタジオ試写室が舞台の恋愛劇らしい)。 「最後の酋長」Op…

 『恋人』 ■■■□

監督:市川崑素朴で地味だが魅力的な細部に彩られた美しいメロドラマの小品。こういう作品こそ本当に豊かな映画なんだと思う。木下恵介の『お嬢さん乾杯』を思い出した。池部良と久慈あさみが『哀愁』を見るシーン(引用がやたら長い)がある。二人が最後に…

 気になる新譜銀盤

「河童のクゥと夏休み【通常版】」「河童のクゥと夏休み ぬいぐるみ同梱版 限定5,000セット 【完全生産限定版】」「河童のクゥと夏休み コレクターズBOX(特別版本編+特典DVDの2枚組) 【完全生産限定版】」アニプレックス 5/28コレクターズBOXの公開版より3分…

 『女性に関する十二章』 ■■□

監督:市川崑初期の市川作品は後期の審美主義的な映像重視の作りとは違って、和田夏十の脚本がかなり大きなウェイトを占めているようだ。本作もセリフの面白さや、役者の丁々発止のやりとりを楽しむ、いわゆるヴァーバル・コメディになっている。異色なのは…

 NHK-BS『アニメギガ』

ゲストは田中公平。熱血インテリ。鷺巣詩郎や菅野よう子にも是非出演してもらいたいものだ。

 『愛人』 ■■■

監督:市川崑これはなかなかの佳作だった。メロドラマとホームドラマの間をゆらゆらと行き交う、不安定で曖昧な物語が面白い。霧中のテニス、川原の情景、室内の柔らかな陰影など玉井正夫のキャメラが素晴らしい。小道具も適度なアクセントになっているし、…

杉浦日向子『合葬』○なんなんだこのリアリティは。傑作!

 『足にさわった女』 ■■

監督:市川崑越路吹雪が軽妙なコメディエンヌっぷりを見せるロマコメ。演出も脚本も少々野暮ったいし、瞠目すべき細部もないのだが、女スリの越路、二枚目半の池部良、オネエ言葉を喋る山村聰*1、とっちゃんぼうやな伊藤雄之助が織り成す役者のアンサンブル…

 『盗まれた恋』 ■■

監督:市川崑スタジオ・システム全盛時の平均点的ロマコメという感じ。後半、シリアスな展開を見せる部分で、表現主義的な陰影の濃い画面造形になるのがちょっと良い。ラストでいきなり東野英治郎が登場し、森雅之と微笑ましいやりとりをする。

 NBAオールスター2008

試合も面白かったが、今年は何と言ってもダンクコンテストが凄かった。ドワイト・ハワードのバックボード越しのウインドミルとスーパーマンダンク(ボールをブン投げてブチ込むなw)。

 気になる新譜銀盤

「飾窓の女」「雷鳴の湾」ジュネス企画 5/26 5,040円(税込)GJ!4月に出るカザンの『影なき殺人』も要チェックだ。

杉浦日向子『ニッポニア・ニッポン』◎江戸を舞台にした青春群像的ストーリーの短編三部作が絶品。ガロらしい味わいの『湯治場にて』も大好きだ。巻末の中島梓による解説文も素晴らしい。

 『超劇場版 ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!』 ■□

監督:佐藤順一&山口晋前作同様、脚本がヌルヌル。劇ケロというのは劇場版『ドラえもん』の劣化コピーなのか(『オトナ帝国の逆襲』の模倣もあまりに芸がない)。ケロロ小隊の存在感も希薄だ。やはりケロロは10分二本立てというTV版の構成がベスト*1で…

 『結婚行進曲』 ■■■

監督:市川崑『淑女は何を忘れたか』のようなセックスウォー・コメディだが、こちらの方があらゆる点で俗っぽい。登場人物、特に女性たちが物凄い早口でまくしたてるのが特徴で、中でも杉葉子のそれは狂気とさえ言ってよく、音の悪さも手伝ってまともに聞き…

杉浦日向子『東のエデン』◎この人の漫画は生涯手元に置いておきたいねえ。

 NBA『サンズVSマーベリックス』を見る

バランスの良い好試合。爆発力のあるサンズが最終クォーターで流れをつかみ勝負アリ。

 『新・鞍馬天狗』 ■■

監督:安田公義平凡なプログラム・ピクチャー。終盤で一人称キャメラの殺陣があるのがちょっと面白いくらい。安田公義は大映のローテーション監督の中では三隅研次や森一生に比べ凡作率が高いような気がする。

鴨下信一『面白すぎる日記たち 逆説的日本語読本』○古川ロッパと徳冨蘆花の日記は是非読んでみたい。小津と荷風の日記も早く買わねばなあ。

 『かえるのうた』のコメンタリー

ピンク映画のコメンタリーで参加者が女性のみというのが新鮮。撮影時の思い出話を中心に、終始和やかな雰囲気のトークが展開されるが、濡れ場になると決まって沈黙するのが何とも微笑ましかった。

 『風雲急なり大阪城 真田十勇士総進軍』 ■■■

監督:中川信夫トリックショット満載、殺陣シーンでは突然スラップスティック調になったりして楽しい。尺の問題なのか無理矢理ハサミを入れたようなシーン繋ぎが多く、話の展開は香港映画みたいに雑なのだが、ショットやカッティングや俳優の所作が活き活き…