2003-07-01から1ヶ月間の記事一覧

 『阿弥陀堂だより』

監督:小泉堯史小さな山村を舞台に、様々な命の有りようを淡々と慎ましやかに、美しい四季の風景と共に描いた人間讃歌。小泉堯史は邦画界の良心。地味ながらも丁寧で堅実な演出、映像からは余裕と風格が感じられる。前作同様、美術と照明が素晴らしい。そし…

私的宮崎アニメの最高作『風の谷のナウシカ』が遂にDVD化するそうです。発売日は11月19日。ジブリDVDで初めて良いと思えるジャケット・デザイン・・・いや、初めからこうして欲しかったんですけどね(^^; 目玉は何と言っても庵野秀明による音声解説でしょう!…

 『初体験リッジモント・ハイ』

監督:エイミー・ヘッカリング青春コメディとして文句の付けようがない作品。この手の映画の命であるキャスティングが完璧で、今では有名になった俳優も端役でワラワラ出てくるのが楽しい(セリフ無しのニコラス・ケイジとか)。ジェニファー・J・リーも良いが…

 新たに増えた銀盤

『初体験リジッジモント・ハイ』(1,000円セール) 『上海特急』(1,000円セール) 『テス』

 『ニューヨーク・ストーリー』

監督:フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ウディ・アレン3篇のオムニバス。ウディ・アレンの最終話が図抜けて面白い。マザコン男が母親に振り回されるライトな不条理コメディで、ユダヤ系ニューヨーカーならではのギャグが満載。アレ…

仏から荷が到着。『Faux mouvement』(まわり道) 『Val Abraham』(アブラハム渓谷)の2本。さっそくヴェンダース『まわり道』の銀盤紹介をしていきます。まず画質ですが、期待以上の素晴らしさでした。解像度が高く、発色鮮やか、暗部の階調も豊かです。LD…

 『恐怖のメロディ』

監督:クリント・イーストウッド面白い。ヒッチコックを陰鬱に、緩慢にしたような上質のサスペンス。一つの会話で次々ショットを積み重ねていくトリッキーな手法や長く溶け合うディゾルヴ、かっちり決まったロング・ショットなど随所で作家イーストウッドの…

 『ふたり』

監督:大林宣彦思わず赤面しちゃうくらいベタで気恥ずかしい演出が多々出てくるけれど、物語の面白さで最後まで一気に観れてしまう。久石譲の音楽も耳に残る。それとやっぱり尾道!なんて映画映えする場所だろう。ふたりのヒロインも良いが、両親を演じる富…

 『メフィストの誘い』

監督:マノエル・デ・オリヴィラヨーロッパの文学、宗教などの文化背景を下敷きにして展開される、精神的な愛欲の対話劇。やや難解だが美しいロケーションと暗闇の描写、不安感を煽るような音楽の使い方が、独特のミステリアスな雰囲気を生み出していて心惹…

 『ギブリーズ episode 2』

監督:百瀬義行最初の「華麗なる勝負」は面白いが、その後はイマイチ。最新のCG技術を駆使して作られた恐ろしく地味な小編。これも「千尋」景気がなせる余裕なのか(笑)。

 『猫の恩返し』

監督:森田宏幸全体のノンビリとした雰囲気が何気に心地良い、ご近所ファンタジーのファニーな小品。ちょっと脱力しすぎな感じもするけれど、その大らかでお軽い作風こそがこの映画の魅力なのかもしれない。最後の飛行シーンはジブリらしいスピード感と爽快…

 『王様の漢方』

監督:ニュウ・ポ日中国交正常化記念映画だが、政治的な描写は一切なく、漢方を中心にした様々な中国文化の紹介、ほのぼのとした異文化交流を描いた、優しい人間ドラマになっている。毒気の全くない甘〜い物語だけれど、舞台となる万里の長城の雄大さと主演…

「エヴァ復活祭」はひとまずお休み。今夜は映画を2本鑑賞。

 「エヴァ復活祭」第14夜

劇場版『EVANGELION:DEATH(TRUE)2』先日、PAL盤を鑑賞したばかりなのでところどころ飛ばしながら観る。凝りに凝った編集が見所だが、その分、初心者向けとはとても思えない不親切な総集編になっている(笑)。チルドレンが一人ずつ体育館に集まってきて弦楽…

 「エヴァ復活祭」第13夜

第弐拾伍話「終わる世界」(英題:Do you love me?)2部構成の前編。本エピソードから突然エヴァは物語ることを止め、主要キャラたちによる心の補完が描かれていく。多くの謎を放置したまま主要キャラによる内面対話劇が展開されていくが、最後でこれはシンジ…

 「エヴァ復活祭」第12夜

第弐拾参話「涙」(英題:Rei?)これまで散々焦らされてきた、綾波レイの正体に関する幾つかの事実が判明する。魂を組み込まれた人形、ユイを模したゲンドウの、言うなれば「道具」であった彼女は周りの人間たちとの「絆」によって人間らしさ、つまり「綾波レ…

 『アヴァロン』

監督:押井守多層化された仮想世界という設定が面白い。物語の展開は淡白で緩慢。独特の加工によるセピア調の映像が美しい。犬や鳥は勿論、食事の描写がやたら出てきたり、現状がエンドレスに続くかのような終わり方など、毎度お馴染みの押井節が炸裂してい…

 『書を捨てよ街へ出よう』

監督:寺山修二メッセージ色と実験性が強いメタ映画。映画の中で映画を否定してしまう大胆さ、全編めちゃくちゃでアナーキーなエネルギーに溢れているが、ちょっと時代臭がキツ過ぎるのが欠点かも。セクシャルなイメージといい、ケバイ美術といい、随所にフ…

 「エヴァ復活祭」もいよいよ佳境の第11夜

第弐拾壱話「ネルフ、誕生」(英題:He was aware that he was still a child)VIDEO 版を視聴。冬月の回想というカタチでネルフ誕生までの経緯が語られると同時に、様々な登場人物の過去も描かれていく。構成が巧みなので、情報量が多いにもかかわらずスッキ…

 「エヴァ復活祭」第10夜

第拾九話「男の戦い」(英題:INTROJECTION)最終回のような怒涛の展開が圧巻。全話を通じて最も盛り上がるエピソードだろう。前半はエヴァへの搭乗を拒否し、ネルフから去ろうとするシンジという第4話と同じような状況が描かれる。ただ、現状からの逃避だっ…

 新たに捕獲した銀盤

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版』

 「エヴァ復活祭」第9夜

第拾七話「四人目の適格者」(英題:FOURTH CHILDREN)フォース・チルドレンをキーワードに話が展開されていく。日常描写が中心なので内容としてはかなり地味だ。またこの回の前後辺りから綾波レイの変化が顕著になってくる。感情を表に出すようになり、他人…

 「エヴァ復活祭」第8夜

第拾伍話「嘘と沈黙」 (英題:Those women longed for the touch of others' lips,and thus invited their kisses)恐らくエヴァ全編中で最も地味なエピソード。娯楽性は皆無だし実験的な映像もなし。エヴァは映りもしない。その分、他の回にはない丁寧で濃…

 『大いなる遺産』

監督:アルフォンソ・キュアロンう〜む、作品に入り込めないまま終わってしまった。どうも脚本に問題があるように思える。デ・ニーロの扱い方もあまりに中途半端、っていうか小遣い稼ぎ? (笑)。グウィネス・パルトローよりも子役ラクエル・ボーディンが印象…

 「エヴァ復活祭」第7夜

第拾参話「使徒、侵入」(英題:LILIPUTIAN HITCHER)このエピソードはエヴァ全編の中でも取り分けSF色の強い話だ。またシンジ以下3人のチルドレンは完全に脇役。かわりに赤木リツコとスーパーコンピューター MAGIにスポットが当てられている。激しく飛び交う…

 『おもいでの夏』

監督:ロバート・マリガンローティーン青年の一夏の経験を描いたじんわ〜り切ない気持ちにさせられる青春映画の佳作。『マレーナ』はこの作品のイタリア版なのかと思うくらいよく似ているが、爽やか度ではこちらの方が圧倒的に上。しかし綺麗なお姉さんは夫…

 「エヴァ復活祭」第6夜

第拾壱話「静止した闇の中で」(英題:The Day Tokyo-3 Stood Still)ネルフ本部が大停電し、混乱の最中に使徒が襲ってくるという緊迫したシチュエーションをユーモラスに描いた傑作エピソード。世界最高の科学力を駆使した施設でアナクロニズムが炸裂する様…

 『マルホランド・ドライブ』

監督:デビット・リンチいや〜凄い。何が凄いって全然分からない(笑)。もぉ冒頭のトリップ映像的なダンスーシーン→静かな夜のドライブ→いきなり車が正面衝突、で完全に頭がアジャパー状態になってしまった。このめくるめくリンチワールド。個々のショットは…

『Mobile Fighter G Gundam』(37話〜44話)いよいよGガンも終盤に突入。毎回血管浮きまくり、画面から汗が飛び散らんばかりの熱い展開を見せる。ただ肝心の戦闘描写が単調でいまいち盛り上がりに欠けるのが残念。残るはあと4話。

 『菊次郎の夏』

監督:北野武遊び心溢れる優しいロードムービー。目的地から帰途へつく間に一番の見所を持ってくるロードムービーのセオリーに反した構成が良い。旅をしているのにほとんど移動シーンがないのも特徴的だ。主役の少年が全然可愛くないのも重要なポイント(笑)…