2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画監督・那須博之氏が27日に死去。遺作は『デビルマン』。まだ53歳という若さでした。合掌。

体調がすぐれなかったので何も観れず。この日は第77回アカデミー賞の授賞式が行われました。作品賞 「ミリオンダラー・ベイビー」監督賞 クリント・イーストウッド「ミリオンダラー・ベイビー」主演男優賞 ジェイミー・フォックス「Ray/レイ」主演女優賞 ヒ…

 新たに増えた銀盤

『キング・オブ・コメディ』『スパニッシュ・アパートメント』

この日はバスケ&バレーを2時間。夜はH氏と呑み会兼鑑賞会。芋焼酎。H氏持参の熟成ゴーダチーズに舌鼓を打つ。パトTV版を4話(名作『地下迷宮物件』を含む)、『茄子 アンダルシアの夏』、そしてケロロ軍曹を4話鑑賞。ケロロのあまりのテンションの高さに最…

 『夫婦善哉』 ■■■□

監督:豊田四郎『浮雲』がとことん陰性なら、本作はとことん陽性のメロドラマと言った感じ。いや勿論、後者にだって深刻な場面はあるのですが、全体的にはしみじみと爽やかな後味が残ります。森繁久弥と淡島千景のやり取りがとにかく絶品で観ていて飽きませ…

 『私は告白する』 ■■■

監督:アルフレッド・ヒッチコック宗教を題材にした地味で暗い物語ですがそこはヒッチコック、要所で巧みな映像演出を見せてくれます。特にアン・バクスターが回想するシーンでの、大胆な構図とスローモーションを使った異化効果は見事の一言。青年神父役の…

ルノワールやオフュルスの作品などで知られる仏女優シモーヌ・シモンが22日に死去。ハリウッドで主演したジャック・ターナーの『キャット・ピープル』は古典ホラーの名作です。享年93歳。合掌。

 『サイレント・ランニング』 ■■□

監督:ダグラス・トランブル71年という時代の暗さを感じさせるペシミスティックなSF映画。淡々としたテンションの低いドラマ展開なので、時折挿入される女性ヴォーカルの曲が妙に浮いています(笑)。ミニ・ロボットの造形と動き(鈍い!^^;)が愛嬌があって良…

 『ウィンチェスター銃'73』 ■■■□

監督:アンソニー・マン"千丁に一丁"の名銃をめぐる復讐の人間ドラマ。簡潔なストーリーにテンポ抜群の語り口、味わい深い人物造形と、全く文句のつけようがない見事な西部劇。丘の上を疾走するインディアンを逆光で捉えた美しいロングショット、急斜面を猛…

 『食神』 ■■

監督:リー・リクチー&チャウ・シンチーワンシーンごとは面白いのですが、展開がまどろっこしいので、尺のわりには冗長に感じられました。おっさんが"小便団子"を食べるところ、少林寺の珍特訓、おばさんの画面三分割リアクション、それと北野武似の暗殺者…

米女優サンドラ・ディーが20日に死去。出演作は1本も観たことがないのですが、デルマー・デイヴィスの『避暑地の出来事』や、ダグラス・サークの『悲しみは空の彼方に』という非常に気になる未見作に出演している女優さんなのです。追悼の意味でもDVD化を望…

 『放送』 ■■

監督:テオ・アンゲロプロス短篇。痛烈なメディア批判が込められたある平凡な男の災難話。初期ゴダールのようなポップなショット繋ぎと街頭シーンから、アントニオーニ的ともフェリーニ的とも言えるような展開になっていく。

 『リアリズムの宿』 ■■□

監督:山下敦弘のっけから反リアリズムの演出で思わず面食らう(笑)。可愛らしい娘が男二人の旅に飛び入り参加するとびっきりのエンターテインメント性まであるこの作品は、しかし後半で、人の心のささやかな交流が、リアルな感触で静かにしみじみと伝わって…

 『ジュマンジ』 ■□

監督:ジョー・ジョンストン不条理パニック・スリラー。と言っても音響が派手なだけで肝心の演出は今一つ。収束の仕方もちょっと安直すぎますね。最大のウリであるCG動物も『ハタリ!』を観てしまった後では何も感じず。

 『再現』 ■■■

監督:テオ・アンゲロプロスキアロスタミやマフマルバフのようなメタ手法で語られるフィルムノワールのような犯罪劇(しかし舞台は山深い寒村なのだ!)。やや技巧的な構成に走りすぎているきらいがありますが、室内シーンにおける光と影の隠微な戯れや、美…

 『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』 ■■

監督:鈴木清順&吉田しげつぐ清順の影響なのか、ひたすら荒唐無稽なアクションの連続には苦笑。話の展開(特に中盤まで)がやや冗長で、キャラクターもルパン以外はどうにも存在感がない。奇しくも、と言うべきなのかラストは翌年公開される『天空の城ラピ…

映画監督の岡本喜八が19日に食道がんで死去。作品は半分も観ていませんが、ATG配給の『肉弾』『近頃なぜかチャールストン』は忘れ難い映画です。時代劇の名手でもあり、TV映画の『太閤記』は素晴らしい傑作でした。粋で痛快な小品『助太刀屋助六』が遺作とな…

 『テオ・オン・テオ』 ■■□

詩人・池澤夏樹が1作品1問1答というルール(しかし2問目でアッサリ破ってしまう池澤氏^^;)でアンゲロプロスにインタビューをするドキュメンタリーです。まずは一言、86分は短すぎる!せめて1作品3問3答にして欲しかったかも(単純計算で4時間かぁ・・・)。冒…

寒い。起きたら雪が積もっていた。

 『緋文字』 ■■■

監督:ヴィム・ヴェンダース「物語」を巧みに「物語る」ことができなかったヴェンダースの愛すべき失敗作。アメリカ東海岸のピューリタンの村が舞台でありながら、まるで西部劇のような斜面や丘や空の捉え方、村の空間造形が何とも魅力的で、広大な浜辺と奥…

 『その夜の妻』 ■■□

監督:小津安二郎フィルム・ノワールの雰囲気をもった日本的な人情話。物語はかなりベタなんですが、見事なカット繋ぎと構図、八雲恵美子の着物姿で二丁拳銃(!)など視覚的には面白い。キャメラの前後移動を効果的に使ったスリリングな映像演出も素晴らしい…

 『天下あやつり組』 ■■■

監督:池広一夫面白い。金銭をめぐるお上と町人の諍いをテンポ抜群の語り口で描いた喜劇。ピリッと社会諷刺も効いているのがミソ。女優陣の活き活きとした存在感が小気味良かった。中村鴈治郎も絶品なり。

 『怒りの河』 ■■■

監督:アンソニー・マン友情と裏切り、逃走と追走。ガン・ファイトではなく、幌馬車と山の斜面と河と青い空こそが西部劇の醍醐味であることをマンの作品は教えてくれる。光輝く川での殴り合い。力強く鳴り響く鐘の音。

 『ドドンパ酔虎伝』 ■■

監督:田中徳三遊び心溢れるミュージカル・コメディ時代劇。ファーストモーションやジャンプカットの多用、室内の俯瞰移動ショットなど映像演出がなかなか凝っていて楽しい。脇役たちも存在感がある。ただ、最大の見せ場である"韋駄天走り"や大チャンバラが…

 『捕われた唇』 ■■□

監督:アズセナ・ロドリゲスフランコ政権末期の女囚モノ。人物の描き込みが浅いし、収束の仕方もやや強引な感じがするけれど、最後までそれなりに楽しめる。ペネロペがブル8のアダージョにのせて踊り、涙するシーンが突出して素晴らしい。これを序盤などで…

 『まらそん侍』 ■■

監督:森一生時代劇なのにチャンバラなし、マラソンと恋の鞘当てというまるで青春劇のノリ(笑)。軽妙で爽やかな作風が良い。勝新が若い!でも存在感はイマイチ。トニー谷や大泉滉の方が断然印象に残る。

 『彼らはフェリーに間に合った』 ■■■

監督:カール・テオドール・ドライヤ良い!鄙びた田舎道をかっ飛ばす男女の二人乗りバイクを描いたスピード感溢れる短篇。走行シーンのキレ味鋭いモンタージュはまるでヒッチコックのよう。唐突にしてブラックな結末も強烈だ。

 『トーヴァルセン』 ■■

監督:カール・テオドール・ドライヤーデンマークの彫刻家トーヴァルセンの作品を紹介する10分ほどの短篇。ほとんど男女の裸体彫刻ですが、陰影の濃いモノクロ映像なので異様に生々しく迫力があります。天使像が印象的でした。

 『牧師の未亡人』 ■■■□

監督:カール・テオドール・ドライヤー牧師就任の条件として老いた未亡人と結婚するハメになった神学生とその婚約者であるマリの3人によるシチュエーション喜劇。ユーモラスな物語が最後で荘厳な死のドラマへと一転する構成が秀逸。老未亡人が夫の墓参りをし…

米国の劇作家・アーサー・ミラーが10日に死去。日本ではモンローの3人目の夫と言った方がしっくりくるかもしれません。50年代の「赤狩り」に屈しなかった信念の人で、96年に撮られた反共ヒステリーのアレゴリーとも言える映画『クルーシブル』はインパクトの…