2003-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 『第十七捕虜収容所』

監督:ビリー・ワイルダー見事なシチュエーション・コメディ。脚本や俳優たちの演技(アニマル最高!)はまったくもって鮮やかの一言。終始ドタバタ、おちゃらけたムードでありながら、人間に対するシニカルな目線もしっかり垣間見せるところが心憎い。そこ…

 『パピヨン』

監督:フランクリン・J・シャフナー"不撓不屈"という言葉がピッタリの壮絶な脱獄劇。逃げては捕まり、捕まっては逃げる主人公、その偏執的なまでの反復に「管理社会と自由」という相容れない関係性の寓意を見る。しかしこれ、実話だというから驚き。マックィ…

 『The Mobile Police The Original Series Collection』

1〜3話を視聴。押井守のコメンタリー、充実しまくりの内容でした。エピソード自体の解説は勿論のこと、パトの世界観や各種設定に関する話、笑える裏話、制作時の時代背景、声優話から果ては、映像論、演出論、アニメ論、映画論に至るまで(笑)。独特の淡々と…

 『クリスティーナの好きなコト』

監督:ロジャー・カンブル世の良識家とやらが観たら腰を抜かすこと間違いなしの超お下劣なロマコメ。女性たちの男性化を極端にカリカチュアライズした痛快な怪作と言っても良いかも。どうしようもなく下品なのにキャメロン・ディアスがいると何故か微笑まし…

 新たに増えた銀盤

『小津安二郎 DVD-BOX 第二集』『キャット・ピープル』最近、映画欲がちょっと減退気味。今月はレンタルDVD以外のDVDがほとんど観れていない。未見の銀盤がどんどん増えていく・・・。来月も大量購入する予定だというのに。まずいなぁ。

 北米から荷が到着

『The Mobile Police The Original Series Collection』パトの初期OVAを収録した2枚組みDVD-BOX。すでに国内盤を持っているのに何故北米盤も購入したかというと、第1〜3話に押井守のコメンタリーが収録されているからなのです。ぶっちゃけ、これを聴くためだ…

 『THEビッグオー』

一挙5話、ラストまで観る。第11話が最高。物語としてはこのエピソードがベストかも。ロジャーとR・ドロシー。人間とアンドロイドとはいえ一応男と女、不器用で微妙な関係が微笑ましくもあり切なくもあり・・・。サックスの甘い音色とともに雪が舞い落ちてく…

 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

監督:スティーブン・スピルバーグスピルバーグらしからぬ淡白さに戸惑うも、良い意味で軽味のある粋な小品になっている。ソウル・バス風のOPデザインが洒落ているし、ウィリアムズ御大の音楽も地味ながら効いている。ディカプリオの颯爽としたペテン師ぶり…

 『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』

監督:ハワード・ドイッチアメリカ青春映画の超定番、プロムもの。80年代の香りムンムン。物語はこれもまたお約束の三角関係。ヒロインに届かない想いを寄せる幼馴染みのダッキーが良い味を出している。最後のセリフには泣けた。ジェームズ・スペイダーが厭…

 『マトリックス リローデッド』

監督:ウォシャウスキー兄弟う〜ん、激しく期待外れ(泣)。単独の映画としては完全に失敗していると思う。まず脚本がとても不親切。核心部分が抽象的だし、構成もなんだかチグハグ。また冗長なシーンが多く、それがリズムを悪くしているので、最後まで作品に…

 『ペネロペ・クルスの抱きしめたい!』

監督:マヌエル・ゴメス・ペレイラいかにもラテンなノリのドタバタ恋愛コメディ。ペネロペ嬢の出番は少ないけれど、初々しさ炸裂、キュートな小悪魔ぶりが良い感じ。やっぱり彼女は初期の頃の少女っぽい無邪気な表情が魅力的だ。無駄に長尺なので中弛みする…

 新たに捕獲した銀盤

『マトリックス リローデッド特別版』

 『セロ弾きのゴーシュ』

監督:高畑勲音楽を媒介に、人間と自然の共存関係が、ユーモラスに、優しく、詩情性豊かに描かれていく、ほのぼのとしたファンタジーの小品。丁寧に描かれた水彩画のような淡い背景が、作品の牧歌的な雰囲気を一段と引き立てていて素晴らしい。ベートホーヘ…

 スペインから銀盤が到着

『Pack Tati: The Big Day + Monsieur Hulotエs Holiday + Playtime + My Uncle』

 『THEビッグオー』

2話鑑賞。ロジャー・スミスに何かと絡んでくるエンジェルという色っぽい女スパイの存在が急浮上。R・ドロシーの影がますます薄くなる。それにしてもビッグオーの技は地味だ。第8話までで、いまだにパンチと目から出るレーザー砲しか見せてくれない。もっとい…

 『非情の罠』

監督:スタンリー・キューブリック50年代のキューブリック作品は本当に格好良い。凝った照明、ドキュメント風に切り取られたニューヨークの街並(この作品はカサヴェテスの『アメリカの影』より4年も前に撮られている)、ローアングルとミラーショットの多用…

 中古CDショップで捕獲した銀盤

『ラ・パロマ』『第十七捕虜収容所』

 『スリーパー』

監督:ウディ・アレンSF・ナンセンス・ドタバタ・風刺コメディ。『2001年宇宙の旅』を思いっきりチープにしたようなセットがたまらない。後半ではなんとあのHAL(?)までカメオ出演するというサービスぶり(声は勿論ダグラス・レイン!)。麻薬水晶と快感増幅…

 『さらば箱舟』

連休中に観た映画は2本。監督:寺山修司寺山修司と仲間たちのユートピア的な世界を思わせる小さな村で、生と死が渾然と融和しながら、人間の性と暴力が奇妙なユーモアを伴ってエネルギッシュに描かれる。仰々しい美術、見世物小屋、巨女、時間と空間を超越し…

 『THEビッグオー』

2話鑑賞。いずれもウェットなお話。この作品の監督は同一構図の反復描写とシルエット・ショットが好きらしく、いたるところに出てくる。好きな演出だ。もろウルトラセヴンしているオープニングも格好良い。

 ロシアより荷が到着

タルコフスキーの『3EPKAJIO』です。あっ、すみません、邦題は『鏡』と言います。RUSCICO盤。前回発注した時は3週間かかりましたが、今回はほぼ1ヶ月の長旅でした。案の定ディスクが外れてカラカラと嫌な音を立てていましたが、日頃の行いが良いせいか、盤面…

 『THEビッグオー』

2話鑑賞。面白い。主人公のロジャー・スミスは一見完璧な男だが、実はかなり間抜けで三枚目的な部分を持っていて、それが一つの愛嬌にもなっている。で、鉄面皮ヒロイン、R・ドロシーは女中アンドロイドに。表情も怖いが、動きはもっと怖い(笑)。

 『東京物語』のコメンリターを視聴。

作品の基本解説から、裏話、小津演出、映像分析、出演者について、と卒のない内容で、最後までダレることなく楽しめました。駄目なコメンタリーにありがちな長い沈黙もなく、白井佳夫のテンポのいい司会ぶりも良かったですね。たまに登場する(というより白…

 『THEビッグオー』

2話鑑賞。いや〜これは当たりかも。もし「鉄人28号」がアメリカ人によってリメイクされていたら?というコンセプトで作られた100%日本人によるアニメって感じ(なんだソリャ笑)。50年代テイストのレトロな世界観と美術が格好良く、ハードボイルド調のモノロー…

 『スリーピー・ホロウ』

監督:ティム・バートンやっぱり映像感覚が抜群に良い。人が大勢死ぬし、残酷な描写も多いけれど、バートン一流の遊び心や茶目っ気のせいで、陰鬱になるどころか終始ワクワクしながら楽しんで観れた。首なし騎士の造形が最高。疾走感と重量感が凄い。クリス…

 『ハッピー・フューネラル』

監督:フォン・シャオガン経済的な繁栄にある現代中国の世相を反映したテンションの高いバックステージ・諷刺コメディ。映画ネタの多さ、セレブが本人役で登場、現地人にしか分からないようなギャグ等々、全体的にウディ・アレンの影響を強く感じさせる。意…

この日は池袋にある新・文芸座のオールナイトに行く。「ヴェンダース・ナイト」。上映作品は『ベルリン・天使の詩』、『パリ、テキサス』、『さすらい』の三本。観客数はキャパ266席の半分が埋まる程度(ちなみに男女比は9:1ぐらい?笑)。夜10時半から朝の6…

 『秋刀魚の味』

小津週間、最後となる五夜目。監督:小津安二郎最後の作品も家族を、そして娘を嫁に出す父親を描いたホームドラマだった。笠智衆が相変わらず味のある柔らかい演技を見せくれる。場末のバー、軍艦マーチに乗せて笠智衆、加東大介、岸田今日子が三者三様の表…

 『秋日和』

小津週間・四夜目。監督:小津安二郎未亡人となった母と適齢期の娘の物語。法事で始まり慶事で終わるホームドラマ。この親子に何かと世話を焼こうとする3人のオヤジども(佐分利信、中村伸郎、北竜二)が最高。みんな渋くきめてはいるが、やっていることは、…

 『お早よう』

小津週間・三夜目。監督:小津安二郎軽妙で茶目っ気たっぷりなホームコメディ。集合住宅という小さなコミュニティの中で繰り返されるささやかな日常をユーモラスに、のびやかに、時には鋭く描き出していく。小津映画の特徴である言葉と所作の反復がひときわ…