2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ところで、マイク・リーと言えば今年のベネチア映画祭で金獅子賞に輝いた『ベラ・ドレイク』という作品。50年代のロンドンが舞台の、かなりヘヴィな人間ドラマだそうですね。観るのが楽しみです。

 『キャリア・ガールズ』

監督:マイク・リーひょっとしたらマイク・リーはジョン・カサヴェテスのエッセンスを受け継いでいる現在唯一の作家と言えるのかもしれない。会話シーンがとにかく凄いのだ。人も言葉も恐ろしいくらいに活き活きと生々しく迫ってくる。俳優の所作とセリフだ…

 『アッセンブル・インサート』

いや〜なんて言うか、ゆうきまさみの世界だなぁ〜と(笑)。テンションが高いんだか低いんだか、いい加減なのか真面目なのか、何とも掴み所のない不思議な雰囲気を持ったコメディですね。どうやら特撮やアニメのパロディも満載みたいなんですが、あまりにも元…

 『ガーデン』

監督:マルティン・シュリーク何とも微笑ましい小品。聖書の伝説を大らかにセクシャルに換骨奪胎した人間味溢れる愛の寓話で、やはりデビュー作と同じ章仕立ての構成によって物語が展開していく。映像的には前作の方が好きだけれど、作品としての面白さは本…

 新たに増えた銀盤

『テオ・アンゲロプロス全集DVD-BOXⅢ <時空を超える旅>』

米ポルノ映画界の巨匠ラス・メイヤー監督が22日に死去。巨乳と言えばラス・メイヤーというくらいオッパイにこだわったソフト・ポルノを撮ってきた偉人です。名前は以前から知っていたのですが、作品は残念ながら一本も観たことがないんですよね。DVD-BOXは高…

すっかり更新を怠けちゃいました。視聴記って意外に精神を消耗するんです。でもヤメんぞ!(笑)***********夕方前にH氏が来訪。パトのTV版を4話観る。今回は名作「あんたの勝ち」が登場。後半パートがまるまるおでん屋台で酒を飲むシーンという最高に反アニメ…

この日は野球を4時間たっぷり。夜はN氏&カルピスさん&キャゼルヌさんと呑み会。で、明け方ごろにガンダム鑑賞(笑)。ZZのラスト2話とZガンダムの最後の方をちょろっと。( ・д・)アポリー…(謎)

 『ラスト・シューティスト』

監督:ドン・シーゲル西部劇の象徴的スターへの、そして西部劇そのものへの、これは壮絶な葬送行進曲だ。ジョン・ウェインは癌にではなくガンによって斃れる。最後、ガンを投げ捨てたロン・ハワードに穏やかな微笑みを向けながら息を引き取るシーンは涙なく…

 『失われた週末』

監督:ビリー・ワイルダーいや〜堪能。職人ワイルダーの手にかかれば暗澹たるアル中ドラマも極上のエンターテインメントになってしまう。重苦しいがめっぽう面白い!物語構成も映像演出も巧みの一語に尽きる。それと主人公の名セリフの数々。「12年物なんて…

 『鉄腕バーディー』

面白い。いわゆる二心同体もの。SF調の「らんま1/2」、あるいは、グロくない「寄生獣」といった感じ(あ、むしろバーディーの方がオリジナルなのかな?)。風采の上らない受験生とアイドル女子プロレスラーみたいなヒロイン、このすんごいギャップのある組み…

 『スール/その先は…愛』

監督:フェルナンド・E・ソラナス軍事政権の時代を厳しく批判し揶揄しながら、マジック・リアリズム的な映像世界によって、夫婦の絶望と孤独、そして再生するまでを綴っていく切なくも美しい愛の寓話。深い青の闇、祭りの後を思わせる道路上の膨大な紙片、…

 『童年往事/時の流れ』

監督:侯孝賢素晴らしいホームドラマ。やはり、ふとしたショットから"小津的"な世界が滲み出てくる。日本様式の家屋やどこか懐かしい鄙びた町並み、日本映画のポスター、日本刀。これら日本統治時代の残滓ともいうべきものが、人々の生活の中に溶け込んでい…

 『私の好きなモノすべて』

監督:マルティン・シュリーク初お目見えのスロヴァキア映画。現況を変える(恋人と旅立つ)のか、それとも変えない(親と息子の元に残る)のか。バツイチ子持ちで無職の男の葛藤を静かに淡々と描いた人間ドラマ。細かく章立てされたシークエンス、哲学者の…

 『アルカトラズからの脱出』

監督:ドン・シーゲル刑務所内の人間模様には興味なし!あくまでも脱獄劇としてのサスペンス・アクションに徹した単純明快な構成と演出が小気味良い。始まるなりホモが登場する可笑しさ、手オノを使ったショック演出、ダミー人形の荒唐無稽さ。クライマック…

Amazonに予約していた『イノセンス リミテッドエディション VOLUME 2 STAFF BOX』が到着。絵コンテと脚本とアフレコ台本が入っているのでかなり重量があります。DVDの外ケースが本のサイズに合わせた特製BOX仕様になっていて、表が「ハダリ」の顔、内側がメ…

 『究極超人あ〜る OVA』

良い!アニメ版『ぶらり電車の旅』という感じ。東京駅を皮切りに伊豆半島、三島を経由して豊橋、最後は飯田線で締めるスタンプ旅行と、いや〜固定ファンがいる作品だからこそ許される激シブのプロット(笑)。ギャグアニメとは思えないノンビリしたテンポが妙…

 新たに増えた銀盤

『ホウ・シャオシェン 4 DVD DELUXE BOX SET 1983-1986』

 『恋恋風塵』

監督:侯孝賢あまりにも痛くて切ないロマンス。牧歌的でノスタルジックな映像、淡々と穏やかなテンポ、爽やかで静かな語り口。作品の中に一貫して流れる心地良い時間。だからこそ、薄暗がりのベッドの上でむせび泣く主人公の姿が、異様に凶暴な映像となって…

 『シテール島への船出』

監督:テオ・アンゲロプロス老夫婦の神話的(あるいは精神的)な愛という「虚構」と、現世的(あるいは肉体的)な愛という「現実」、二つの世界が入れ子のように重なって展開していくアンゲロプロスならではの一味違ったメロドラマ。物語の悲劇性にドップリ…

 『ミッドナイト・ラン』

監督:マーティン・ブレスト80年代のアメリカ娯楽映画のパワフルな魅力!粋で痛快な大陸横断の逃走劇にして、ちょっと異色のバディ・ムービー。会話とキャラ造形と物語構成が抜群に面白いし、テンポも絶妙。この辺りは、さすが『ビバリーヒルズ・コップ』の…

 『ダンス・オブ・ダスト』

監督:アボルファズル・ジャリリレンガ作りに従事する小さな村の日常を淡々と綴った映像詩。物語性はほとんど無くて、何度か映し出される少年と少女(うわっ美少女!)の視線の交わりが最も劇的な要素と言えるかもしれない。同じショットが繰り返し出てくる…

夕方にバレーボールを2時間。その後いつもの面子による呑み会。今回もアニメを少々。ガンダムTV版から「時間よ止まれ」と「ククルス・ドアンの島」(ジオン兵が主役のエピは傑作揃いなのだ!)。ZガンダムTV版から「ダカールの日」と「シロッコ立つ」。パトレ…

 『浜辺の女』

監督:ジャン・ルノワール海難事故というトラウマを抱えた青年士官が、浜辺で出会った美しい若妻をめぐって、夫である盲目で初老の元・画家と激しく争うという何とも不条理感漂う三角関係を描いた不気味な小品。70分チョイの尺なので、話の展開がかなり強引…

 『ファーゴ』

監督:コーエン兄弟やっぱ素晴らしい。オープニング、語り口の巧妙さ、雪と直線道路と車、巨大なポール・バニヤン像、ウィリアム・H・メイシーのイケてない写真(笑)、ヘンな顔のチョイ役たち、エピソードそのものが"マクガフィン"なマイク・ヤナギタ、ビュッ…

 『突撃』

監督:スタンリー・キューブリック「絶対的な階級社会」をテーマの中心に据えることで、人間のエゴと軍隊という組織がもつ理不尽さを痛烈に暴き出した反戦映画の傑作。塹壕内の描写や戦闘シーンの生々しい臨場感、鋭い硬質の視線は、いかにもジャーナリスト…

 『ミスティック・リバー』

監督:クリント・イーストウッド完全に打ちのめされた。あらゆる要素が複雑に絡み合って生じた「偶然という必然」が、メビウスの輪のように途切れることなく連鎖していく人間の暴力性を容赦なく肯定する。人間確かに死ぬときは独りだけれど、生きるというこ…

ドイツ文学者の種村季弘氏が先月29日に亡くなっていたのを今頃になって知りました。澁澤龍彦と同じ、欧州を中心にした文明と人間精神の暗黒面にスポットを当てた著作を数多く発表している作家で、最近ボチボチと氏のエッセイなどを読み始めていた矢先の訃報…

 『ぼくは歩いてゆく』

監督:アボルファズル・ジャリリ戸籍がないために学校へ行けず、仕事にも就けない少年の奮闘記。深刻さの中にほんのり滑稽さを含ませて描く「子供VS大人」というイラン映画ならではの対立構造が、社会的ルールの問題点を浮き彫りにしていく。あくまでも"ドキ…

 『リリー・マルレーン』

監督:ライナー・ベルナー・ファスビンダー映画的興奮を掻き立てる贅沢なメロドラマ。ソフトフォーカスによって描かれる甘美な悲劇。蝋燭の光の捉え方が尋常でなく美しくて妖艶。まるでキャメラが酩酊しているような不思議な恍惚感を伴った映像感覚が心地良…