2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 『隣同士』 ■■■□

監督:バスター・キートン&エディー・クライン創意工夫に富んだギミック満載の美術セットと驚異のアクションの数々はさながらサーカスのよう。3人立ち肩車で歩く曲芸には唖然としてしまった。キートンの喜劇こそ真の視覚スペクタクルだ。

 『案山子』 ■■■

監督:バスター・キートン&エディー・クライン超無精な食事方法に大ウケ。足場の狭い塀の上でスピーディかつスリリングに展開される犬に追っかけられるギャグはキートンならでは。逆立ち歩きで川を渡るキートンも見物。最後はサイドカー付きバイクにヒロイ…

 新たに増えた銀盤

『許されざる者』(ヒューストン版)

 『魚影の群れ』 ■■■

監督:相米慎二長廻しだけが生み出しうる映像の緊張感とリズム、それに緒方拳だけはピタリとはまる。淡々と孤独にマグロと格闘するシーン、十朱幸代との濃密な時間。やはりスゴい役者だ。円楽師匠も良い。

 『マッチ売りの少女』 ■■■■

監督:ジャン・ルノワールミニチュア撮影による雪降る街の夜景というオープニングが悲劇の童話の始まりを鮮やかに印象付ける。貧富のコントラストを外と内の境界としての窓を使うことによって残酷に示すルノワールならではの演出や、少女が壁に立てかけられ…

 『チャールストン』 ■■■

監督:ジャン・ルノワール世界が崩壊(ポッキリ折れたエッフェル塔!)、空飛ぶ球で脱出したミンストレル芸人のような黒人が廃墟の町に降り立ち、そこで遭遇した未開人の女性とチャールストン・ダンスを踊るという何とも奇妙奇天烈な短編SF喜劇。カトリーヌ…

 『水の娘』 ■■■□

監督:ジャン・ルノワールジプシー娘が上流階級の青年と結ばれるというシンデレラ・ロマンス。冒頭から息を呑むような美しい自然描写が出てくる。水と木と風と柔らかな光。川辺の情景を描かせたらルノワールは本当に凄い。ヒロインのカトリーヌ・ヘスリング…

マルメロの木が開花。今春は寒暖の変化が激しかったせいか例年よりも半月ほど遅かったです。

 新たに増えた銀盤。

『暗黒街の女』(仏盤。ニコラス・レイ&シド・チャリース。遂に出た!国内盤も熱望!!) 『3 films de JEAN RENOIR』(仏盤。ルノワール最初期のサイレント作品『水の娘』『チャールストン』『マッチ売りの少女』の3本が収録されたまさにシネフィル垂涎のD…

 『アタラント号』 ■■■■

監督:ジャン・ヴィゴなんて愉快な映画だろう。船上生活という言わば閉ざされた世界を描いていながらどこまでも自由な精神性を感じさせる。その最大の具現者ミシェル・シモンの天衣無縫ぶり。彼の船室は夢のガラクタ箱だ。ボリス・カウフマンの美しい(特に…

アリダ・ヴァリ死去。享年84歳。

 新たに増えた銀盤。

『炎の人ゴッホ』 『ガルシアの首 コレクターズ・エディション』 『お引越し』 『低地 Tiefland』(独盤。レニ・リーフェンシュタール監督作) 『ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海』(独盤。レニ・リーフェンシュタール監督作)

 『自転車屋』 ■■□

監督:ロスコー・アーバックルますます身体アクションに磨きがかかるキートン、もはや主役は彼だ。ファッティはお約束であるヒロインとの甘いキスシーンがなく(キスができるのは美女の写真にだけ)、最後のラスト・ミニッツ・レスキューもいつもならファッ…

 『ひなぎく』 ■■■

監督:ヴェラ・ヒティロヴァ共産主義体制下でこんなアナーキー極まりない映画を撮ってしまったヒティロヴァの蛮勇に拍手。

 『アッシャー家の末裔』 ■■■

監督:ジャン・エプスタイン元祖「館ホラー」?多重露出の多用、美しいスローモーション、沼水、雷光、風(カーテンの揺れ、落葉と白いヴェールの舞い)、巨大な暖炉(過激に燃えさかる炎)などとにかく映像が鮮烈だった。***********盤質。IVC盤ですがベル…

20世紀フォックスの「スタジオ・クラシック・シリーズ」夏のラインナップが凄い!ジュールス・ダッシンの日本未公開フィルム・ノワール『深夜復讐便』(米ではクライテリオン盤がリリースされている)、ルイス・マイルストンのこれまた日本未公開作品『パー…

 『砂塵』 ■■■□

監督:ジョージ・マーシャルサルーンが西部劇において最も魅力的な舞台空間であることを改めて痛感した。テンポと歯切れの良い語り口、豪快爽快な身体アクション、脇役たちの造形も素晴らしい。そしてマレーネ・ディートリッヒの圧倒的な存在感。酒場女をや…

 『折れた矢』 ■■■

監督:デルマー・デイヴィス1950年にインディアンと白人の融和をテーマにした悲劇のメロドラマを撮ってしまうとは、デルマー・デイヴィスの西部劇はその第一作目から極めて異色だ。ジミー・スチュワート演じる主人公はウェスタン・ヒーローのイメージからは…

前に当日記で紹介した「フランソワ・トリュフォー」の未使用本がほぼ半額でAmazonのマーケットプレイスに出品されていたので即ゲット。最近、山田宏一氏の「トリュフォー、ある映画的人生」を再読し終えたばかりだったのでまさにグッドタイミングでした。「…

 『トーキング・ヘッド』 ■■□

監督:押井守実写志向でありながらアニメの道を歩むことになってしまったアンビバレントな内面が発露されている映像作家・押井守の自己言及映画。前衛劇を思わせるスタイルにはやはり鈴木清順(あるいは寺山演劇)の影響が色濃く反映されているのだろう。ば…

 『ケルベロス 地獄の番犬』 ■■□

監督:押井守『紅い眼鏡』の前日譚。前作とはだいぶ趣きが異なる作風で、少々ドタバタ風味が残ってはいるものの、雰囲気は後に作られるアニメ映画『人狼』に近い。しかしまともな映画話法というのは押井守の良さをスポイルしてしまうようだ(食い物絡みのシ…

 『紅い眼鏡』 ■■■

監督:押井守和製SFノワールの怪作。内容的には『ビューティフル・ドリーマー』を実写でもやってみましたという感じ。鈴木清順(あとタルコフスキーも)へのオマージュたっぷり。アニメのキャラと同じ異様なテンション、生尻まで晒してしまう千葉繁の壊演が…

 『ドアをノックするのは誰?』 ■■■

監督:マーティン・スコセッシ恋のきっかけがジョン・フォードという映画狂的な、あまりに映画狂的な展開に感動(笑)。若いね!

 『田舎者』 ■■

監督:ロスコー・アーバックルギャグが今ひとつ冴えない。演出も他作品に比べて地味だった。本作でも犬が大活躍する。

 『初舞台』 ■■□

監督:ロスコー・アーバックルこの頃になるとキートン・スタイルはほぼ出来上がっている。見所はファッティではなくキートンが女装してしまうパターン外しのギャグ。デッドパンだけにファッティと違ってかなり不気味なのだ。

オンラインDVDレンタルの「ぽすれん」がリニューアル早々にサイトダウン。やれやれ・・・。

映画監督の黒木和雄が死去。享年75歳。

 『イヴォンヌの香り』 ■■

監督:パトリス・ルコントルコントのインチキ官能美炸裂!(笑)。いわゆる上品ぶったエロ映画。構成と物語はフィルムノワールを思わせるが、ヒロインであるサンドラ・マジャーニは顔からだは綺麗だけれど演技力は相当に微妙、人物造形も中途半端でファム・フ…

 『列車に乗った男』 ■■□

監督:パトリス・ルコントジャン・ロシュフォールとジョニー・アリディを堪能する映画。ルコント演出は相変わらずとことん通俗的、だから安心して楽しめる映画であると同時に退屈極まりない映画でもある。ただワイアット・アープの物真似、カウボーイ・ルッ…

『アメリカ,家族のいる風景』上映終了を今頃になって知る・・・orz 仏盤DVD(『ランド・オブ・プレンティ』とカップリングのやつ)で無理矢理溜飲を下げるっきゃない?名画座系での再上映に期待。