『トーキング・ヘッド』 ■■□

監督:押井守

実写志向でありながらアニメの道を歩むことになってしまったアンビバレントな内面が発露されている映像作家・押井守の自己言及映画。前衛劇を思わせるスタイルにはやはり鈴木清順(あるいは寺山演劇)の影響が色濃く反映されているのだろう。ばりばりの映画青年(年に千本の映画を観たこともあったという)だった押井守のシネフィル的情念が全編にほとばしるパワフルな怪作だ。