『自転車屋』 ■■□

監督:ロスコー・アーバックル

ますます身体アクションに磨きがかかるキートン、もはや主役は彼だ。ファッティはお約束であるヒロインとの甘いキスシーンがなく(キスができるのは美女の写真にだけ)、最後のラスト・ミニッツ・レスキューもいつもならファッティだけが助かるはずなのにキートンも一緒に助かってしまう。この後、アーバックルが殺人容疑のスキャンダルによって映画界を追放され、キートンの時代になっていくことを考えれば実に象徴的な演出と言えるだろう。ちなみに本作にも犬を使ったギャグがある。