『お早よう』

小津週間・三夜目。

監督:小津安二郎

軽妙で茶目っ気たっぷりなホームコメディ。集合住宅という小さなコミュニティの中で繰り返されるささやかな日常をユーモラスに、のびやかに、時には鋭く描き出していく。小津映画の特徴である言葉と所作の反復がひときわ強調されている点が面白い。特に密集した家屋の玄関と勝手口から頻繁に出入りする人達、最後の駅ホームでの佐田啓二久我美子のオウム返しなどにそれが顕著である。それと傑作なのが擬音化されたオナラの音。小津監督にかかるとオナラですら上品なユーモアになってしまう。本作にはどこかジャック・タチの作風と相通じるものが多いような気がする。

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さて、盤質。画質は良好。部分的にちょっと見苦しい箇所がありますが、ゴミなどの劣化ノイズは気にならないし、解像度が高いせいか、ディテールがクッキリしているので画全体がとても引き締まって見えます。発色も綺麗です。音質もまずまず。後日、クライテリオン盤との比較記事をアップする予定です。