飼い猫の阿太郎(♀)が死んでしまった。17歳だった。人間の歳にすると90歳近くになるので立派に天寿をまっとうしたことになる。でもやっぱり悲しい。冷たく硬直した体をさすっていたら、去年の冬、それまで一度も布団の中に入ってこなかった彼女が、連日のように潜り込んできて幸せそうに寝息を立てていたことを思い出し、とめどもなく涙が溢れ出てきた。器量が良く人懐こい猫だった。