『ポルノ時代劇 忘八武士道』 ■■■

監督:石井輝男

ヒル丹波哲郎ひし美ゆり子(アンヌ隊員!)のオッパイが丸見えになろうと、全裸の女たちが一斉に抱きつこうと表情一つ変えない(いや、微かに口元が緩んでいたかも)。「死ぬも地獄、生きるも地獄」とうそぶきながら、無表情でバッタバッタと人を斬りまくるペシミスティックなダークヒーロー像はなかなかに格好良い(でも主人公の名前が明日死能ってのは安直すぎやしないか?嫌いじゃないけど)。それにしてもヘンな映画だ。女忘八衆が突如現れ、黒い布を被るや、燃えさかる炎の中に突入、ゴロゴロと転がってあっという間に火を消してしまうと、小刀で焼けた服を切り外し、スッポンポンになって丹波哲郎を取り囲む(でも股間はしっかり両手でカバー笑)シーンには思わずお口あんぐり。ここまでイケてるおバカ演出はそう拝めるものじゃない。遠藤辰雄の怪演も見物だ。