『アシク・ケリブ』 ■■■□

監督:セルゲイ・パラジャーノフ&ダビド・アバシッゼ

めくるめく映像と音、まさにセンス・オブ・ワンダーな映画体験。詩的秩序を思わせるストイックなショットとモンタージュ、淡々と流れ続ける民俗音楽には強烈な催眠作用があり、鑑賞中に何度か意識が途切れてしまう。しかし極めて美しくユニークな作品だ。終盤の祝祭的シーンなど本当に素晴らしい。最後、キャメラの上にハトが止まり、あるシネアストへの献辞が画面に表示される。これには思わず胸を打たれた。