ビクトル・エリセ独占インタビュー

今年のカンヌにはエリセが長編部門の審査員として参加しているそうで、カンヌ映画祭の公式サイトにエリセの独占インタビュー記事が掲載されている。日本語対応ありがたや。興味深かったのは言葉は最後の部分。

http://www.festival-cannes.fr//jp/article/57588.html


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計画を教えてください。

1年前から小作品を絵を描くように撮っています。これがとても楽しいんです。『Mémoire et Rêve』と名づけたドキュメンタリーシリーズです。3章撮りましたが、10章撮れたら上映したいですね。世界中を旅しながら撮っている作品なんです。このカンヌでも何か撮るつもりです。


その小作品の長さはどのくらいですか?

いろいろあります。5分もあるし、20分もあります。映画、もしくは映画という宇宙についての思索でもあります。とても手仕事的な作品で、スタッフは私と音響1人、出演は私自身です。私が信念を寄せるのは、ロベルト・ロッセリーニの考えです。「貧しくなるほど、人は豊かな自由を得る。」自由とは簡素さの問題です。放棄しなければなりません…。型どおりの映画を撮るのも好きですが、幸い、今のところ撮影はできています。

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これを見るまでは死ねないな。それにしても「資金不足で映画が作れない」というエリセの話を聞くたびに悲しいやら腹立たしいやら何とも言えない気持ちになる。間違いなく存命中の映画監督の中で最も優れたシネアストの一人であるはずのエリセが、まともな長編映画を一本すら撮れないなんてあまりにも理不尽じゃないか。なぜエリセにはパウロ・ブランコのようなプロデューサーが現れないのだろう。