『バトル・ロワイヤル』 ■■■

監督:深作欣二

カラッとした残虐性とユーモアと人間味の深作バイオレンスに魅了された。特に終盤の理性的に共存していた女子グループの秩序が一瞬にして崩壊してしまう灯台のシークエンスは素晴らしい。キャストでは制服ではなく黄色ジャージという特別な衣装で男の股間をメッタ刺しにする栗山千明と、女のエゴ剥き出しでしぶとく生に喰らいつく柴咲コウの二人が良かった。それと北野武である。この人の表情と所作から放たれる恐怖の表象は、女子の中でダントツの殺人鬼だった柴咲コウが、その姿を見ただけで一瞬にして逃げ出す(銃を所持しているにも関わらず!)シーンに象徴的に現れている。ただ存在しているだけで得体の知れない恐ろしさを与えることができる稀有な役者だ。UK盤ブルーレイ(3枚組みLimited Edition)劇場公開版の鑑賞だったが、映像、音ともに良好。このBOXはディレクターズカット版と特典DVD(PAL)、豪華ブックレット、コミック&ポストカードという構成。リージョンはALLである。ちなみにこれの少し後に豪華ブックレット、コミック&ポストカードが付いてない通常版(3 Disc Edition)が発売されたが、こちらは東映の申し立てによりリージョンがBに変更されているようだ。