『遊星からの物体X』 ■■■

監督:ジョン・カーペンター

舞台を宇宙船から南極基地に移した『エイリアン』という感じの話だが、怖さよりもグロが圧倒的に勝る。暑気払いも兼ねて見始めたのに体温が上昇していく類の映画だったという罠(苦笑)。ただ血液検査シーンの緊張感はヤバかった。『ディアハンター』のロシアンルーレットばりに胃がキリキリする素晴らしく嫌なシーンだ。その直後、さかさまの顔に蜘蛛のような足が生えたクリーチャーが忍び足で逃げようとするユーモラスな場面でホッコリさせるあたりの呼吸はさすがジョン・カーペンターといったところ。このシーンは萩原一至が『BASTARD!! 暗黒の破壊神』の中でパロディをやっていたのが妙に印象深い。