「強迫/ロープ殺人事件」 ■■□

監督:リチャード・フライシャー

「B級ノワール論」(吉田広明)のフライシャーの章でもほぼスルーされていたしDVD化も当然されていない作品だが、ニコニコ動画にビデオ版を上げている奇特な人がいたのでありがたく視聴させていただいた。死刑制度反対をテーマにしたあからさまなプロパガンダ映画で映像的にも地味だったが、それだけに後半も残り数十分という時間にオーソン・ウェルズ(弁護士)が登場した時のインパクトたるや強烈なものがあった。演技はもちろん容貌といい声といいまったくもって非凡な俳優である。ラストの主人公(殺人犯)とウェルズの会話が印象深い。