『戦場のピアニスト』

監督:ロマン・ポランスキー

全壊したワルシャワの街を彷徨する主人公。凄まじい生への執着。その姿に大国に陵辱され翻弄され続けてきたポーランドの歴史そのものが重なる。エイドリアン・ブロディの感情を抑えた演技が放つ凄味、ジャムを舐めた時の表情も忘れ難い。でも本当に心の芯まで響いてきたのはショパンの音楽だけだった。その原因は言うまでもなく"言語"にある。言葉のリアリズムは必要だと思う。