『CURE』

監督:黒沢清

人間の抑圧された殺意が引き出されて起こる惨劇を描いたサイコ・スリラー。初めて観る黒沢清作品。ショットの力強さと奇妙な編集のリズムに強く惹かれた。静かな映像でありながら、異様な緊張感があり、露骨に怖いショットよりも、その前後のショットの方が断然怖い。これは音の使い方も大きく影響していて、ジワジワと精神を圧迫するような息苦しい雰囲気が全編を覆っている。言葉ではなく、映像が饒舌な映画らしい映画だと思う。ただ、後味は悪いかも。役所広司はやっぱ巧い!