『絹の靴下』 ■■■□

v-erice2005-06-16


監督:ルーベン・マムリーアン

シド・チャリース!彼女こそ最も美しい顔とスタイルを持つミュージカル・スターではないだろうか。長くスラッとした脚の魅力が最大限に発揮されたダンスの数々。フレッド・アステアに誘われて思わず踊り出してしまうお茶目なシーン、黒から薄茶のシルク・ストッキングに履き替え淑女へと変身していくシーン、二人が踊りながらスタジオ内を横へ横へとダイナミックに移動していくシーン、いずれも素晴らしい。『雨に唄えば』でデビー・レイノルズのミニ・スカートがひるがえる、その運動そのものに心がときめくように、本作ではシド・チャリースのロング・スカートの激しい動きが鮮烈な印象を残す。ロシア3バカ人民党員と『雨に唄えば』のジーン・ヘイゲンに勝るとも劣らないジャニス・ペイジのコメディエンヌっぷりも楽しい。歌では当時のハリウッドの技術事情を面白おかしく皮肉った「Stereophonic Sound」が秀逸。本作は『ニノチカ』のリメイクでありバック・ステージものでもある。

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盤質。画質は良好。ただ平均ビットレートが低いこともあってやや甘い感じ。約10分ほどの回想番組「コール・ポーター・イン・ハリウッド:Satin and Silk」に短篇2本と特典映像もなかなか充実。