『キス・ミー・ケイト』 ■■□

監督:ジョージ・シドニー

物語はいたって平凡、キャスリン・グレイソン&ハワード・キールの主演コンビや、コール・ポーターの音楽もガツンとくるようなインパクトはない。特筆すべきはハーミーズ・パンの振付だろう。アン・ミラーの「It's Too Done Hot」(絶品!)や劇中劇のダンス、いずれも見応え十分で、若きボブ・フォッシーの躍動感溢れるダンスも素晴らしい。3D映画として製作された唯一のミュージカルである本作は、役者がキャメラに向って物を投げるというアクションが頻繁に出てくるユニークな特徴もある。