『ヒポクラテスたち』 ■■■

監督:大森一樹

ポリクリ青春グラフィティ。ふざけているように見えて実はかなり深刻な話で、スローモーションや静止画を使った奇抜な演出、時折出てくる妙にリアリティのある(いうなればエグい)描写、ローキーなど全体の混沌とした雰囲気は如何にもATGらしい。柄本明阿藤海内藤剛志、斎藤洋介といった今でもメディア露出が高いオッサンたちの若かりし頃が拝める。医大生にして映画狂という監督自身をモデルにしたようなキャラ(部屋には『気狂いピエロ』や『赤ひげ』のポスターが)、原田芳雄手塚治虫(!)が演じる医師、映画だけでなく役者としても胡散臭い鈴木清順(笑)など脇役もインパクト大。それにしても古尾谷雅人松田優作に似ている。ていうかエンドロール見るまで優作だと思っていた(笑)。そんな古尾谷の朝勃ちブリーフには爆笑。さすがATGと変なところで感心。