『ブロークン・フラワーズ』 ■■■□

立川シネマシティにて。

監督:ジム・ジャームッシュ

鈍い快感がじんわりと広がってくるようなジャームッシュ・ワールドを満喫。『ロスト・イン・トランスレーション』と同じくまるで生気のないビル・マーレイが妙に魅力的だった。エチオピオ音楽という変化球にもやられた。しかし何よりも本作は女の映画である(ブロークン・フラワーズゆえに『三つ数えろ』のような華やかさはないが)。アイロニーたっぷりのオチが良い。キャメラの背後でニヤニヤしているジャームッシュの顔が見えるようだ。ところで昔の恋人たちを訪ねて回るというプロットは『舞踏会の手帖』を彷彿させる。ジャームッシュとデュビビエ。ん〜まったくピンとこない組み合わせだ。