『家庭』 ■■■■

監督:フランソワ・トリュフォー

映画狂トリュフォーならではの遊び心が溢れる不倫コメディ。話はイマイチかもしれないが、愛すべき細部がわんさかとある。とりわけ嬉しかったのがタチへのオマージュだ。ジャン・ピエール・レオーが会社の面接を受けるシーンでは『プレイタイム』さながらにレオーがソファーから立ち上がると「プシュゥ」という音がし、地下鉄のホームにはユロ氏(タチ本人でがないがそっくり!)が出現する。それにしてもレオーは素晴らしい。何がって顔が素晴らしい。もう圧倒的に。まるでバスター・キートンのようだ。松本弘子に「あなたと心中したい」と言われたときの表情なんてたまらなく好きだ。