『三人の名付親』 ■■■□

監督:ジョン・フォード

ハリー・ケリーの思い出に捧げられ、ハリー・ケリー・Jrが主演しているだけでも感動的な映画だ。人が歩く、倒れるといったアクションが特権化される砂漠という空間が主舞台の異色西部劇。砂嵐の描写(凄まじい風と砂塵、そこに被さる音響の生々しさ)、ハリー・ケリー・Jrが死ぬ場面の厳かな美しさ、ペドロ・アルメンダリスの表情と声とスペイン語、ライフルでも女性でもなく赤子を抱え込む男ジョン・ウェインの奇妙なまでに母性的な存在感(映画の終盤、ミドルネームが"ママデューク"であることが判明し皆に大笑いされるシーンがある)、最後の駅での別れの場面(フォードの映画ではたびたび「旅立つ男とそれを見送る女」という主題が描かれ、そのどれもが爽やかな叙情をたたえた素晴らしい名場面になっている)など、見所は数多い。ハンク・ウォーデンのズッコケも必見。

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盤質。画質良好。発色がやや甘い程度。