『極北のナヌーク』 ■■■□

監督:ロバート・フラハティ

ナヌークの動きを見ているとドキュメンタリーではなく喜劇を見ているような楽しい気分になってくる。イグルーと呼ばれる半地下の雪の家を、アザラシの骨をなめして作ったナイフ一本で手際良く作っていく映像が圧巻(氷の窓をはめ込み、その横に置かれた雪の板がレフ版となって家の内部に光を取り入れる仕組みになっている!)。糸仕掛けにかかったアザラシと氷上で格闘するシーンでは獲物が氷の下にいて姿が見えないために、いつアザラシが画面上に現われるのかというサスペンスと、激しいアクションで一人芝居のように暴れ続けるナヌークのユーモアが絶妙なコントラストとなって見事なエンターテインメントになっている。イヌイットの人々の無垢な笑顔も忘れ難い。

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盤質。画質は良くありません。翻訳字幕も内容を省略しすぎなのが気になりました(ただこれはオリジナル字幕が長い文章のわりには表示時間が短いので仕方がないのかもしれません)