『リンダリンダリンダ』 ■■■□

監督:山下敦弘

いやあ眼福、眼福。プリント状態はお世辞にも良いとは言えなかったものの、フィルムで見る『リンダリンダリンダ』はやはり格別だった。風景ショット(特に空)が素晴らしく美しい。フィックス中心の映画だけに、前田亜季が廊下を歩くところと4人の少女が夜の土手を歩くところ、この二つのドリーショットが鮮やかな印象を残す。それと"眠る人""座る人"という非アクションが豊かな映画的瞬間として捉えられている点も見逃せない。最後、舞台上での4人の視線のリレーは何度見ても良い。