『悶絶!!どんでん返し』 ■■■□

監督:神代辰巳

ピンク映画でありながら女優が脇へと追いやられ、鶴岡修と遠藤征慈のホモ・カップルが物語の中心に鎮座してしまうとんでもない反則映画。活劇でもありミュージカル(神代の映画はおしなべて音楽が良い。踊りはないが激しさとリズム感のある暴力描写がそれに当たる)でもありスクリューボール・コメディーでもある本作を単なるピンク映画の一言で片付けることはできない。谷ナオミは緊縛天吊りされたり浣腸されたりはしないものの、オシッコを極限まで我慢させられたり、夫をオカマに寝取られたり、入浴中二匹のハエにおっぱいを愛撫されたり、住みついたオカマに虐待されたりと、やはりとことん苛められる。しかし結局彼女はこの異常な状況を受容し遂には楽しんでしまうのだから何と言うか、実に逞しくていじらしくて痛快なのだ。ラストショットの鶴岡修の表情が強烈。

悶絶!!どんでん返し [DVD]

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