『スパイクス・ギャング』 ■■■■

監督:リチャード・フライシャー

青春ウェスタン極め付けの一本!70年代ならではの痛ましい物語だが、カラッとしたユーモアと巧みなストーリーテリングのせいか同時代のニューシネマ系作品とはちょっと雰囲気が異なる。死にゆくものたちに一言も発することを許さないフライシャー。最後の一瞬の回想シーンに感動してしまうのはこの厳格なまでの死の演出があってこそなのだ。リー・マーヴィンが素晴らしい。アカデミー主演男優賞を得た『キャット・バルー』なんぞよりも100倍魅力的なキャラクターだ。やっぱり西部劇のマーヴィンは悪党やってなんぼなのである。そして愛すべき三人の青年を演じるはゲイリー・グライムズ、チャールズ・マーティン・スミス、ロン・ハワード。『おもいでの夏』と『アメリカン・グラフィティ』の面々を起用するあたりが心憎い。ちなみにロン・ハワードはこの2年後に出演する『ラスト・シューティスト』で西部劇とジョン・ウェインの最後を看取ることになる。