『ボルベール 帰郷』

監督:ペドロ・アルモドバル

早口およびセリフ量の多さで、英語字幕は表示するだけ無駄とOFFにする。なので物語はほぼ把握できず。したがって評価もなし。映像から判断するに『オール・アバウト・マイ・マザー』同様、女性たちに捧げられた映画のようだ(男はほとんど添え物でしかない)。ペネロペ・クルスは女優としていよいよ油が乗ってきた感じで、その表情と所作には貫禄すら漂っているのだが、へんに目立つことなく他の女優たちと絶妙なバランスで画面に収まっているのが良かった。アルモドバルならではの原色を強調した独特の色彩感覚は本作でも健在、ただいつもよりちょっと控え気味だったかも。それだけに時折見られる陰影豊かなローキーの美しさが印象的だった。エンドクレジットでホセ・ルイス・アルカイネが撮影監督だったことを知って妙に納得。終盤、ブラウン管にチラッと映し出されるアンナ・マニャーニには感動してしまった*1

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盤質。画質良好。S/Nがやや甘いですが、解像度、発色ともに良いです。特典ディスクはその内見ます(と言ってもざっと流し見する程度だと思いますが)。

*1:TV放映されている映画はヴィスコンティの『ベリッシマ