UK-PAL版DVD

 『コリン LOVE OF THE DEAD』 ■■□

監督:マーク・プライスある青年ゾンビの彷徨を追ったドキュメンタリーと言った感じの味わい。初期ヴェンダースのロードムービーを思わせる映像の感触や、ゾンビ化した家族の目玉を潰して地下室に閉じ込める狂った父親のエピソード、姉夫婦との悲しい対面、…

 『赤線玉の井 ぬけられます』 ■■■

監督:神代辰巳『赤線地帯』のロマンポルノ版といった感じだが、若尾文子のような華やかなヒロインは存在せず、情念、情欲、無邪気と三つの異なる資質を持った三人の赤線女の一日を交互に描いていく群像劇。随所に挿入される滝田ゆうのイラストが何とも言え…

 『カメラを持った男』 ■■□

監督:ジガ・ヴェルトフ多彩なトリック撮影やモンタージュなどの映画技法がふんだんに用いられた社会風俗ドキュメンタリー。似たような作品にジャン・ヴィゴの『ニースについて』、シオドマク&ウルマーの『日曜日の人々』などがあるが、実はこの3本すべて同…

 『ボルベール 帰郷』

監督:ペドロ・アルモドバル早口およびセリフ量の多さで、英語字幕は表示するだけ無駄とOFFにする。なので物語はほぼ把握できず。したがって評価もなし。映像から判断するに『オール・アバウト・マイ・マザー』同様、女性たちに捧げられた映画のようだ(男は…

 『Familia Rodante』 ■■■

監督:パブロ・トラペーロ家族12人がオンボロのキャンピング・カーに乗って1,200キロの旅をするロードムービー。ほのぼのテイストの家族ドラマだけれど、見方を変えれば姥捨てモノとも言える映画かもしれない。ラストの長い長いお祖母ちゃんのクローズアップ…

 『日曜日の人々』 ■■■□

監督:ロバート・シオドマク&エドガー・G・ウルマーワイマール共和国の末期。世界恐慌が起きる前のベルリンの街と、休日を過ごす庶民の姿をドキュメント・タッチで描いた風俗映画。活気に溢れた都市の息遣いが伝わってくる前半部、男女二組のカップルが湖畔…

 『吸血鬼ノスフェラトゥ』 ■■■□

監督:F・W・ムルナウマックス・シュレック演じる吸血鬼の造形の圧倒的なインパクト!不気味なだけじゃないところがミソで、昼間の街を棺桶担いで足早に歩くシーンはかなりお茶目だったりする。吸血鬼がヒロインの家の向かいの家(窓だらけの異様なデザイン…

 『ミツバチのささやき』 ■■■■■

監督:ビクトル・エリセ久々の鑑賞。字幕をオフにして映像と音をじっくり堪能。やっぱりUK盤の画質は素晴らしい。これを味わってしまったら国内盤は恐ろしくてとても観る気にはなれない。こんな醜いDVDがいまだにヤフオクで数万円で取引されているのだから切…

 『最後の人』 ■■■■□

監督:フリードリヒ・W・ムルナウオープニングから溜息が出るような画面造形の美しさと滑らかなカット繋ぎ。字幕を極限まで削ぎ落としたまさに純粋映画とも言うべき映像表現のこだわり。カール・フロイントのキャメラの素晴らしさ。エミール・ヤニングスも良…

 『無頼の谷』 ■■■

監督:フリッツ・ラングキスシーンから始まる西部劇というのは珍しいかも?しかし一転、物語は雑貨屋から鳴り響く銃声と叫び声によって復讐という名の曲を奏で始めることになります(ラングが映し取る"手"のアップはブレッソンのように表情豊かでハッとさせ…

 『西部魂』 ■■■

監督:フリッツ・ラング電信網敷設事業を描いた硬派な西部劇。インディアンや無法者との抗争といった言わばありきたりな描写などよりも、静寂を打ち破る夜の山火事の突発的スペクタクルに興奮しました。テクニカラーによる闇の黒と炎の赤の禍々しいコントラ…