『カメラを持った男』 ■■□

監督:ジガ・ヴェルトフ

多彩なトリック撮影やモンタージュなどの映画技法がふんだんに用いられた社会風俗ドキュメンタリー。似たような作品にジャン・ヴィゴの『ニースについて』、シオドマク&ウルマーの『日曜日の人々』などがあるが、実はこの3本すべて同じ1929年に撮られている。カメラを持った男が線路に耳を当てているところへ列車が突っ込んでくるシーンは『ミツバチのささやき』を想起した。80年以上前の映画だが、女性のセクシャルな描写も随所にあり、中でも出産直後の母子の様子が堂々と無修正で映し出されるシーンには驚いた。

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盤質。十分な画質。サウンドトラックはジェイソン・スウィンスコーのシネマティック・オーケストラによる伴奏(詳しくは→http://nu-things.com/blog3/2009/12/the_cinematic_orchestra.html)。他にもピエール・アンリ版やマイケル・ナイマン版(国内版DVDはこれ)などがある。特典なし。