『地下幻燈劇画 少女椿』 ■■■□

v-erice2007-11-20


監督:絵津久秋

寺山修司の『田園に死す』をアニメーション表現で再構築したような(何せ音楽がJ・A・シーザーサブカル的な、あまりにもサブカル的な暗黒メルヘン。一見悪趣味にもほどがあるように思えるのだが、終盤、それまでの極端なエログロナンセンスの世界から一転して幻想性豊かな叙情が溢れ出るさまは感動的で、ある種の美しささえ感じられた。どのキャラクターも強烈だが、その中でもペニスはあるが見た目は少女というアンドロギュヌス的な存在の美少年が印象深い(髪を短く切ってヒロインの少女みどりに涙の別れをするシーンが良い)。現在国内では上映はおろかビデオやDVDを出すことも出来ない状況らしいが、恐らくこれは過度に差別的な描写や表現が多いのと、いくつかのシーンが児童ポルノ法に抵触する為だと思われる。まあ子供に見せちゃいけない作品であることは間違いない(トラウマ確実だ!)。ちなみに絵津久秋はリメイク版の『妖怪人間ベム』を監督している。

***********

盤質。画質良好。音声はオリジナル日本語のみで、字幕は英語、仏語、伊語、西語、独語を収録(オン・オフできない仕様)。特典に本作の制作・美術・作画監督である原田浩のインタビュー映像。フランスで限定5000枚のみ発売されたレア盤(さすがはグランギニョルの国だ)なのでいずれHPの「銀盤Introduction」で取り上げるかも(更新止まって久しいなあ^^;)。


現在ニコニコ動画にも上がっているのでIDを持っている人は消えてしまう前にどうぞ(ただし気分を害したり気持ち悪くなっても当方は責任を持てませんので悪しからず)。