『Hoodoo Ann』 ■■□

監督:エルロイド・イングラム

1916年の映画。不幸な少女ヒロインという設定がいかにもグリフィス脚本。幼女受難ものといい、リリアン・ギッシュの一連の作品といいグリフィスには明らかにロリコン趣味がある。ただ本作の主演女優メエ・マーシュは可憐ではあるが、リリアン・ギッシュのような神秘的な存在感はない。顔がキルスティン・ダンストにちょっと似ているからだろうか。特筆すべき点のない平凡なロマンスものだが、クロス・カッティングの多用や、炎上する寄宿舎をロングで捉えたショット、少女時代のメエ・マーシュが納戸でこっそり人形遊びをするシーンなどが見所と言えば見所か。それと主役のカップルが劇場に西部劇を見に行くシーンがある。ちなみに『Hoodoo Ann』を直訳すると「疫病神アン」。


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盤質。画質良好。『スージーの真心』同様良質の黒白映像。