『眠狂四郎人肌蜘蛛』 ■■■

監督:安田公義

いかにも60年代末的なエログロ路線のB級テイスト溢れる怪作。おそらくシリーズ中最も陰惨で後味の悪い作品だろう。とにかく人が死にまくる。サディスティックで近親相姦を匂わせる武家の兄妹(緑魔子!)という敵役の造形も強烈。十字架に磔にされた全裸の女、死屍累々の陰惨極まる小屋の中で、緑魔子市川雷蔵が契りを交わす異様なシーンが忘れ難い。渡辺宙明の音楽も秀逸。