『バットマン・ビギンズ』 ■■□

監督:クリストファー・ノーラン

ペーソス溢れるエキセントリックなお伽噺としてのバートン版『バットマン』に愛着がある者としては、9.11以降のアメリカが反映された妙に現実味のある対テロのドラマが描かれるノーラン版『バットマン』には正直あまりノレなかった。ノワール活劇としての『バットマン』の魅力も、スピード感のある編集で誤魔化しているだけのしょぼいバトル・アクションの演出で半減してしまっている。バットモービルの造形も、あんなのバットモービルじゃないだろっ!とツッコミたくなるが、バットモービルとして見なければ、かなりカッコイイとは思う。執事アルフレッドを演じるマイケル・ケインが良かった。