『きらきらひかる』 ■■□

監督:松岡錠司

この前見た橋口亮輔の『ハッシュ!』といろいろ共通点のある作品だが、こちらの方が10年早く作られている。髪型やファッションがもろにバブル期(ワンピースにも肩パット!笑)なので、最近ちょっと読んでいた岡崎京子の漫画が頭にチラチラと浮かんだ。原作が江國香織ということもあって、ヒロインの造型が『ハッシュ!』よりも複雑で繊細に描かれているのだが、ゲイカップルの方は『ハッシュ!』に比べるとやや淡白で面白味に欠けているように感じられた。演出やキャメラの大胆さ、という点でも『ハッシュ!』に軍配が上がると思う。終盤に突然思い立って三人で海に行くシーンがあるのだが、ここで映画的にズドンと突き抜けずに割とすんなり終わってしまったのが個人的にはとても残念だった(深夜のシマウマ行進とかトヨエツがパンツ姿でレストランとか細部は良かったけどw)。それなりに重い話ではあるが、鑑賞後の余韻は爽やか、なかなかユニークな三角関係モノである。やはり薬師丸ひろ子はイイ女優だ。いつも不機嫌な顔をしているウェイトレスも印象深い。