『バーディ』 ■■■

監督:アラン・パーカー

エキセントリックで繊細な人間ドラマ。マシュー・モディーンニコラス・ケイジ(まだ髪の毛が豊富)の単なる友情を超えた濃密で深い繋がりには、ホモセクシャル的な匂いが漂い、実際、本作の物語には「ゲイ」というものの関係性と精神性が、隠れた重要なテーマであるかのような描き方をしているようにも受け取れる。鳥しか愛せず、鳥になることを強く欲望するマシュー・モディーンのあまりにも奇妙な人物造型は一体何の寓意なのだろうか?まあ、いろいろな見方ができるとは思う。アラン・パーカーは『ミッドナイト・エクスプレス』でもゲイの場面を撮っていたし、ひょっとしたらソッチ方面の人なのかもしれない。ところで学生時代のモディーンが同級生の女の子のオッパイを触るシーンがあるのだが、触り方が実にケッサクで、その時の女の子の表情とともに忘れ難いシーンである。