福井晴敏機動戦士ガンダムUC 7』読了 ○

ブライト・ノアの暗躍に絡んで、ルオ商会のステファニー、アウドムラハヤト・コバヤシカイ・シデン、そしてベルトーチカ・イルマと『1stガンダム』や『Z』で馴染みの深い名前が次々と出てくる。マリーダを登場させたことで『ZZ』を黒歴史にはしなかった著者であるが、『新訳Z』の流れもしっかり取り入れて、『ZZ』で戦死したはずのハヤトが生きているという設定は個人的には嬉しかった。またラーカイラムの艦長室に飾られたアムロ・レイ中佐(!)の写真。その遺影に向かってブライトが「笑うなよ」と呟いたり、ベルトーチカとのアムロに関するやりとり(読みながらふと、この一連のシーンがアニメ版で描かれた時、果たして鈴置さん以外の声で感動できるのか?という不安が湧き上がったのだった)など、ファースト世代のツボを刺激しまくる展開にオッサン歓喜の涙である。ジオン地球残党軍の最古参たちの駆るオールド・モビルスーツが、ジンネマンによるミネバ奪還作戦に参加するくだりなどもたまらない。そしてクライマックスの高高度戦闘。二機のユニコーンサイコフレームが共鳴し、感応波がオーバーロードする謎の現象アクシズ・ショックの再現。いや〜アツい!次巻から舞台は宇宙へ。物語もいよいよ佳境へと入った。