『愛の新世界』 ■■■□

監督:高橋伴明

とにかく鈴木砂羽に尽きる。監督はよっぽど彼女に惚れ込んでいたに違いない。全編に散りばめられたアラーキーのモノクロ写真も素晴らしく、鈴木砂羽という女優の魅力が、「動」と「静」、この対照的な表現の見事な拮抗によって完全に引き出されている。彼女の他の主演作は見たことがないが、間違いなく代表作であり、もしかしたら生涯の一本になるのかもしれない、それほどに圧倒的な存在感だった。映画は一人の女優だけで十分に映画たりえるのである。


「女とは驚くべき存在だ。なにも考えていないか、別の事を考えているか、そのどちらかだ。」
byアレクサンドル・デュマ

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盤質。画質良好。英題『New Love In Tokyo』。リージョン1のアナモ収録。英語字幕付き(オン・オフ可)。国内盤はすでに廃盤プレミア化しているので、見たい人は北米盤を購入すべし。