小野双葉『邪悪のJACK 全4巻』読了 ○

ホラー少女漫画の隠れた傑作。悪魔との契約と代償を描いた残酷な寓話で、毎回最後に主人公とカエル(補佐役の悪魔ベリアル)によって語られる人間に対するシニカルな教訓が秀逸(最後のコマも実に格好良くてオシャレなのだ)。一見すると普通の少女漫画の感じなのだが、悪魔や動物、グロ描写(実は一番気合入ってるかも?w)などでは劇画調のリアルな絵になるのが特徴で、構成や演出もクオリティが高く読み応えがある。残念なのは完結していながらコミック化されているのは途中までという点で、完結してから数年後に書かれたという読み切りエピソードも含めた文庫版の刊行が待たれる。ちなみにコミック版もすでに絶版で、自分は「古本市場」というオンライン・ショップで購入した。本作のことを教えてくれて、「古本市場」で検索してみるべし!とナイスな助言もしてくれた友人に大感謝である。

邪悪のJACK 1 (ミッシィコミックス)

邪悪のJACK 1 (ミッシィコミックス)