気になる新譜銀盤



Bad Girls of Film Noir, Vol. 1

Sony Pictures 発売中 $24.96

[収録作品]

『Two of a Kind』(1951)
『The Killer That Stalked New York』(1950)
『Bad For Each Other』(1953)
『The Glass Wall(摩天楼の影)』(1953)

北米盤の情報は面倒でついなおざりにしてしまってるのだが、フィルムノワール好きでこれを紹介しないのはさすがにマズイだろうということで紹介。個人的に最も興味深いのは『The Glass Wall(摩天楼の影)』である。監督のマックスウェル・シェーンについては全くの初耳だったが、30〜50年代に活躍したハリウッドの脚本家で、本作は数少ない監督作の一つのようだ。自分が興味を引かれたのは勿論この監督ではなく、撮影がジョセフ・バイロック!主演女優がグロリア・グレアム!!という二点に尽きる。このコンビによるフィルムノワールなら監督が無名だろうがショボかろうが絶対に見逃すわけにはいかないのである。ちなみに『Two of a Kind』は監督ヘンリー・レヴィン、撮影バーネット・ガフィ(この人もフィルムノワールの名作を数多く撮った名手)、主演女優はリザベス・スコット。『The Killer That Stalked New York』は監督Earl McEvoy、撮影ジョセフ・バイロック、主演女優イヴリン・キース。『Bad for Each Other』は監督アーヴィング・ラパー、撮影フランツ・プラナー(ワイラーとのコンビで有名)、主演チャールトン・ヘストンリザベス・スコット、とまあ結局すべての作品が興味深いということになるのだが。発売はソニー・ピクチャーズだが残念ながら日本語字幕はなし。リージョンコードもALLではなく1だ。以前はソニー・ピクチャーズ北米盤の古典タイトルがよく日本語字幕付きでリリースされていたが、最近はどうも未収録のものがほとんどらしい。かと言って日本でこのようなマイナーな作品集がDVD化されるかと言えば、その可能性はまず無いというのが実情だろう。フィルムノワールは映像的な魅力もさることながら、複雑な人物設定やストーリー性も特徴の一つなだけに、できれば字幕付きでみたいというのが本音なのだが、こればかりは己の英語力の貧弱さを呪うばかりである。



Bad Girls of Film Noir, Vol. 2

Sony Pictures 発売中 $24.96

[収録作品]

『Night Editor』(1946)
『One Girl's Confession』(1953)
『Women's Prison』(1955)
『Over-Exposed』(1956)

こちらは全て日本未公開。『Night Editor』は『Two of a Kind』と同じ監督ヘンリー・レヴィン、撮影バーネット・ガフィのコンビで主演女優はジャニス・カーター。『One Girl's Confession』は監督ヒューゴ・ハース、撮影ポール・アイヴァノ(シュトロハイム『クィーン・ケリー』のキャメラマン!)、主演女優はクレオ・ムーア(IMDBに「Queen of the B Movie Bad Girls」と書いてあった)。『Women's Prison』は監督ルイス・セイラー、撮影レスター・H・ホワイト(ウォルシュの『限りなき追跡』のキャメラマン!この作品のドナ・リードは実にエロかった)、主演女優はアイダ・ルピノ!!『Over-Exposed』も監督ルイス・セイラー、撮影ヘンリー・フリューリッヒ、主演女優クレオ・ムーアとなっている。やはり一番気になるのは『Women's Prison』だろうか。