郷田マモラ『サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇 上・下』読了 ○

モリのアサガオ』とセットで読むべき本。話がうまく出来すぎているし、裁判員制度についての解説や、裁判員制度に対する問題提起も少々物足りないのだが、これらはあくまで枝葉の部分であって、「集団の悪」と「個人の悪」をテーマに人間社会の歪みをあぶり出していくのが本作の幹なのだ。「オタクは犯罪予備軍」という未だに根強く存在する愚かな偏見に対する擁護論がサブテーマになっている点も興味深かった。相変わらずアシスタントや作者によるエッセイ&ミニ漫画など本編以外のオマケも充実していて読み応えある。

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (2) (アクションコミックス)

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (2) (アクションコミックス)