『キートンの蒸気船』 ■■■■

監督:チャールズ・F・ライスナー

終盤の嵐のシークエンスに尽きる。前半は正直退屈で眠気さえ催したが、この視覚の一大スペクタクルで一気に目が覚めた。80年以上前の映画のシーンがこんなにも新鮮な驚きを持って楽しめるとは。CG全盛の今こそキートンは見直されるべきだと思う。保安官の事務所に投獄された父親をキートンが助けにいくシーンで、保安官が入口のドアを閉める時にスタッフと思われる裏方の手が思いっきり映ってしまっているのが微笑ましい。風の映画であると同時にドアの映画でもある。

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盤質。画質良好。『キートン大列車強盗』同様素晴らしい画質と音質だった。KINOのブルーレイ・コレクション、今後のラインナップにも期待だ。こうなると既発売の『戦艦ポチョムキン』も欲しくなる。

キートンの蒸気船 新訳版 [DVD]

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