『時をかける少女（2010）』 ■■

監督：谷口正晃

いわゆる「予算をかけたTVドラマ」になってしまっている映画だったが、かつて未来人に恋した芳山和子の娘が、未来人として1970年代の青年と淡い恋愛関係になるという反転して繰り返される物語は悪くなかった。ただ仲里依紗の演技が見事なまでのTVドラマ仕様だったのは残念。高校生時代の芳山和子を演じる石橋杏奈が古い邦画のヒロインを思わせる清楚な佇まいだったので尚更安っぽく感じられたのかもしれない。まあ現代っ子らしい演出ということなんだろうけど、それにしても声（同じ役者が演じる声なのにアニメ版と実写版でこうも魅力に差が出るものなのか）と表情と所作のだらしなさ（ちょっと言いすぎかもしれないが、こうとしか表現できない）は気になった。若い人から見たら石橋杏奈の方がよっぽど違和感のあるキャラ造型なのかもしれないが。

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