『フォーゲルエート城』 ■■■
監督:F・W・ムルナウ
『レベッカ』や『ジェーン・エア』や『扉の影の秘密』のような舘系サスペンス・メロドラマの元祖と言えるような作品。しかし台詞の絶対量が少なく台詞自体も簡潔にならざるを得ないサイレント映画でありながら、演技や画面造型に説明的で誇張されたところがない。むしろそういう演出が意図的に排除されているようにも見える。だから心理劇であるにも関わらず話の内容が分かり辛い。城内という広大な空間に少数の人間がいて、あまり動くこともなく静かにドラマが展開していく様はどこか超現実的で不気味だ。悪夢のシーンや美しい回想シーンなども印象に残るが、この全体に漂う何とも不思議なムードがこの映画の面白さなのかもしれない。いささか狐につままれたようなスッキリしない気分だが、ムルナウらしい異色のサイレント映画である。
Sat, May 07
- 01:45 『フォーゲルエート城』DVDの特典映像「ムルナウ:影の言語2 ムルナウの初期作品」なう。
- 01:51 ムルナウが偏愛した作家、ゲーテ、ポー、モリエール、シェイクスピア、ワイルド。
- 02:10 『燃ゆる大地』の解説。見たいな〜。米アマゾンでDVD-R版が買えるみたいだけど。
- 02:15 youtubeで検索したらあっさりヒット。恐ろしい時代だ。 http://www.youtube.com/watch?v=cy8mv2sl9-U
- 02:19 あっ、やっぱりムルナウはクリステンセンの『魔女』に影響を受けていたのか。
- 02:23 『ファントム』にはケーテ・コルヴィッツやムンクの絵を模したショットが出てくる。
- 02:29 夜間撮影、工夫を凝らしたセット、ミニチュアの多用、大胆な移動撮影、歪んだ建物・・・魅惑のドイツ表現主義。
- 02:34 雪深い山村のある一家の悲劇を描いた『追放』。ムルナウの失われた映画の一本。
- 02:45 ウーファで撮った喜劇『大公の財政』。これは北米kino社からDVDが出ている。紀伊国屋書店のムルナウ・コレクションでDVD化されるのだろうか。
F.W.ムルナウ コレクション フォーゲルエート城 クリティカル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/01/26
- メディア: DVD
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