『ファウスト』 ■■■■

監督:F・W・ムルナウ

ムルナウ芸術の結晶。圧巻の特撮と舞台装置、絵画的な構図と空間造型、強烈な光と影の表現、まさにドイツ表現主義の粋ここにあり!である。俳優ではグレートヒェン演じるカミラ・ホルンの清楚な美しさが印象に残った。メフィスト役のエミール・ヤニングスの存在感もすさまじい。完全にファウストを食っている。ムーランルージュの大歌手だったというイヴェット・ギルベールとの艶笑喜劇のようなコミカルなやりとりは素晴らしかった。

以下、DVDの特典映像を見ながらつぶやいたTLコピペ。

Fri, May 20

  • 23:54  特典映像なう。
  • 23:59  照明による熱は50度を超え、俳優たちは撮影の合間に扇ぎ合った。

Sat, May 21

  • 00:02  丸一日かけてキスシーンを撮るほどのこだわりぶりだった。
  • 00:08  ラストシーンは『オペラ座の怪人』(ルパート・ジュリアン)のラストからのいただき。
  • 00:10  当初のヒロイン候補はリリアン・ギッシュグレタ・ガルボだった。
  • 00:27  メフィストエミール・ヤニングスだったのか。どうりて尋常ならざる存在感があったわけだ。
  • 00:32  印象的な飛行シーンの移動撮影。ミニチュアセットなのは分かったがまさか全長35mもあったとは!
  • 00:37  ボツ・ショットと採用ショットを比較しながらの解説が実に興味深い。
  • 00:53  遠景にいる人型ハリボテのモブはムルナウの十八番。あと人型ハリボテのモブで思い出すのがタチの『プレイタイム』。
  • 01:05  ムルナウは本作を1秒20コマで撮影したが、ウーファの意向で1秒24コマでの映写に変更された。
  • 01:05  地震
  • 01:34  ファウスト』撮影にあたりムルナウが参照したもの。フェリシアン・ロプス、レンチュの彫刻、カウルバッハのフレスコ画、シュタッセンの絵、クレリングスのカラー版画、リヒターの素描、シュヴィントの絵、レンブラント、コルヴィッツ、クビーンの絵、クリンガー、シュトゥックの絵、フリードリヒ。