『ハリーとトント』 ■■■

監督:ポール・マザースキー

『明日は来らず』の変奏曲、老人と猫のロードムービー。状況設定はかなりシビアなのだがハリーと関わりを持つ登場人物がみなユニークで物語の印象はむしろ明るく、最後も老人ならではの淡々とした静かな哀しみと穏やかな晩年を予感させて余韻は心地良い。マザースキーの映画オタクっぷりが滲み出てるセリフが所々に出てきて思わずニヤッとなったし、猫のトントの動きがフリーダムすぎて注意がそっちの方にばかり向いてしまうのが猫好きとしては微笑ましかった。