『愛に関する短いフィルム』

キェシロフスキ祭再開です。第6夜目。

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

愛を知らない青年と愛を否定する女、孤独な二人が"覗く""覗かれる"という行為を通して交差する。荒唐無稽なシチュエーション、滑稽とも言える愛の形は、キェシロフスキの魔術によって極めて繊細な、哀しくも優しい、愛の寓話となる。青年の一方的な視線が、一つの行為と言葉をきっかけに女の一方的な視線へと逆転してしまう展開の妙。最後はあまりにも"映画的"なシークエンスによって「愛=思いやり」であることが示される。このラストは感動を通り越して衝撃的ですらある。

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盤質。画質はS/N、解像度、発色ともに今までで一番良いです。所々白点ノイズが目立ちます。音は普通レベルでした。